絵に落ちる?
まるで地面に穴があいてるかのように見せかけるため、床に真っ黒なペンキを塗ったり、シールを張り付けたり・・・なんて芸はありふれている。
そのためか、美術館の床に真っ黒な円が現れたとしても、みなさんは「どうせ穴にみせかけた真っ黒な絵だろ?騙されないよ」とお思いになることだろう。
8月中旬、ポルトガルの美術館を訪れていたイタリア人男性が同じ状況にあったというが・・・なんと、足を踏み入れた瞬間に落下して怪我してしまったのだ!
なぜなら、これは絵ではなく、本当に穴だったのである。
こちらがその例の穴である。・・・まるでシートを張り付けたかのように平面的だ。
これはポルトガル北部の街ポルトにある、セラルヴェス現代美術館で展示されているもの。イギリスの現代彫刻家、アニッシュ・カプール氏が1992年に手掛けた「辺獄への落下(Descent Into Limbo)」という作品である。
深さはおよそ2m43cm(8フィート)にも及ぶが、穴の側面を1年かけて深い黒で塗りつぶしたことで、深さを感じさせないように設計しているのである。”辺獄”という作品名にふさわしい、底知れぬ恐怖を演出している・・・。
周辺にはいくつも注意書きがあったというが、男性はすっかり絵であると思い込んでおり、穴に足を踏み入れてしまった模様。怪我したにも関わらず男は、好奇心が満たされたのか満足げだったという。
大した問題にならなかったとはいえ、美術館側は更なる安全対策に講じると発表をしている。このニュースを聞いた作者のカプール氏は、「何と言うか・・・恥ずかしいね。」とコメント。
おかしな事件であったが、作品の保全はもちろん、お客さんの安全は十分に確保していただきたいものである。
参照元:Youtube