タイムリープとかするときのやつ
東京大学物性研究所の強磁場グループ(嶽山研・松田研)が、実験室レベルとしては世界最高となる1200テスラの強磁場の発生に成功した。プレスリリースには、磁場発生直後の爆発の様子を写した写真が公開され、話題を呼んでいる。
【研究成果】嶽山研、松田研の強磁場グループが、1200テスラの強磁場を記録しました。室内発生、物性実験として利用できる高度に制御された強磁場として、世界最高記録を更新しました!
写真は、磁場発生直後、爆発している様子https://t.co/I4smH7AJxo pic.twitter.com/gyZHNXRNOx— 東京大学 物性研究所 (@UTokyo_issp) 2018年9月18日
写真だけ見るともはやSFの世界であるが、超強磁場発生に爆発はつきものであり、物性研究者からすれば珍しい光景ではないそうだ。
この磁場発生装置は、「電磁濃縮法」という電流の反発力を用いて磁束を濃縮させる方法を適用したもので、「1000テスラ領域での安定した物性計測を可能にした」とのこと。
我々が普段生活している環境に存在する磁場の大きさはおよそ10万分の1テスラ程度であり、医療用機器(CTやMRI)の内部になると3テスラ前後。1200テスラというと、それより遥か上の極限状態である。そんな極限状態でモノがどんな不思議な物性を示すのかを明らかにすべく、物性研究者達は日々実験を重ねている。今回開発された装置によって、それらの研究がさらに加速することが期待できる。
ちなみに、強磁場グループの松田研究室は以下のようなPR動画を作っており、極限物性研究の流れについて紹介している。これを見る限り、極限状態なのはサンプルだけではなく、研究者達もまたしかりである。