くだらない理由のケンカかと思いきや・・・
ルームシェアは今や日本でも珍しいことではない。楽しい生活を送ることができるが、それゆえに苦労も多いようだ。
今年3月17日、英マンチェスター近郊のアパートで傷害事件が起こった。
被害にあったのはラブワ・ハニー氏という男性で、部屋をシェアしていたイマド・カリム容疑者(21)に包丁で切り付けられたのである。
2人の争いの原因となったのは、なんと冷蔵庫に入っていた一本のキュウリだったのである・・・。
カリム容疑者は当時、ハニー氏が勝手に共同冷蔵庫のキュウリを食べようとしたことに腹を立て、包丁で口もとと足を切りつけたのだという。
ハニー氏の怒りはとどまることなくケンカは激化し、武器を奪い取りカリム容疑者の鼻をなぐって折るなどの傷を負わせたという。
その後カリム容疑者は部屋に閉じこもっていたものの警察に拘束され、6ヶ月にわたり拘置された。
この様にカリム容疑者に不利な状況に追い込まれていたが、10月4日に初公判が行われると状況は一変。
カリム容疑者はイラクから亡命してきた移民であることが発覚すると、弁護士はこれを引合いにだし、「彼は華奢で傷つきやすく、繊細な男性です。」と弁明し、包丁を持ち出すような凶暴性はないと訴えた。
最終的に罪は軽くなり、懲役9か月の刑が科せられたというが、カリム容疑者は「同居していた被害者にはずっと嫌がらせを受けていた。後悔はしていない」と話していたという。
裁判を行ったブラッドフォード裁判所のジョナサン・デュラハム裁判官は「この事件には2人の被害者がいる」とあかしカリム容疑者には同情する姿勢をみせ、強制送還させる予定はないと明かした。
イギリスにおける移民の風当たりは年々強くなっている。慎ましく生きている移民の人々は、人種差別などの苦しい状況にあることは間違いない。