ノリノリ指名手配犯
駅前や警察に「この顔を見たら110番!」といった写真が貼られているだけあり、指名手配犯が目立とうものなら速攻で捕まるのがオチ。
しかし、今回スペインで捕まった指名手配犯は、何を考えたのか、大勢の目につくミュージックビデオに堂々と出演してしまったのである!
その動画がコチラだ。明らかに不利な情報になるというのに、とっても楽しそうな表情で写っているところにジワジワ笑いがこみあげてくる。
今回問題となっているのは、フランシスコ・”イスコ”・テジョン。スペインでは、兄アントニオと共にテジョン兄弟という名で知られている。
この男はスペインの麻薬の70%を牛耳る”ロス・カスタニータス”という麻薬密売グループのボスである。2016年にモロッコで拘置されていたが脱走し、およそ2年にわたって警察から逃げ続けていたという。
なおテジョンの兄のアントニオは、今年6月に母親の家で滞在しているところを逮捕。現在拘置され、裁判を待っている状況だが、テジョン容疑者は逮捕に関して恐れを抱いていないことがわかる。
そんな中今年9月、逮捕前に撮影されたとみられるキューバ出身歌手のミュージックビデオ内で、高級リムジンや水着の美女と遊びまくる姿を見せてしまったのだ。これには「今も活発に麻薬カルテルは動いている」というメッセージがあり、他のライバルのギャングを牽制しようという意図がうかがえる。
この動画が公開されるとスペイン国内で話題となり、警察当局も仰天。地元紙”El Mundo”の取材に対し、「間違いない、これはアイツだ!こいつはもう何も気にしていないと見せつけるために動画を公開した可能性がある。もはや自分の姿を公にしても、心配する必要はないと考えたのだろう。」と答えていた。
すでに動画は削除されたというが、テジョン容疑者の名前はネット上に広がり続けている。警察は麻薬グループの残党摘発に向け動画の解析を急ぎ、映像が、いつどこで撮影されたかについて突き止めようとしている。
同グループはヨーロッパ全土で38億円(3000万ユーロ)規模の売り上げを出しており、今回の摘発がうまくいけばヨーロッパの麻薬グループの勢力図は大きく変わるだろうと言われている。