今月、和歌山県にあるアドベンチャーワールドで、エンペラーペンギンの赤ちゃんが誕生した。
10月3日(水)、アドベンチャーワールドで12羽目となるエンペラーペンギンの赤ちゃんが誕生しました。10月9日(火)よりペンギン王国1階にて、赤ちゃんを公開いたします。スタッフが親鳥に扮して行う給餌の様子を是非ご覧ください! #アドベンチャーワールド #エンペラーペンギン pic.twitter.com/YoXuk66iyh
— アドベンチャーワールド公式 (@aws_official) 2018年10月8日
赤ちゃんのかわいらしい見た目とともに、スタッフによる「特徴的な」給餌の方法が話題になっている。以下は、NHKニュースが提供している動画だ。
和歌山県白浜町にある動物公園では、この秋誕生したエンペラーペンギンの赤ちゃんが一般公開され、愛らしい姿を見せていますhttps://t.co/OcPc1k2GJ5#nhk_news #nhk_video #ペンギン pic.twitter.com/OvXjHzpTyA
— NHKニュース (@nhk_news) 2018年10月19日
給餌スタッフがスチャッ・・・とペンギンのマスクを装着する瞬間がかなり印象的である。なぜこんなことをするのだろう?
実は、動物園での人工飼育には課題が多い。自然とは違う環境下で動物を飼育・繁殖しようとしても、一筋縄ではいかないのだ。
アドベンチャーワールドでは、2004年に初めてエンペラーペンギンの赤ちゃんが誕生した。スタッフによって人工的に育ててみたものの、ペンギンは人間を自分の親として認識してしまい、成長してもペンギン同士でつがいになることがなかったそうだ。
そこから試行錯誤を重ね、雛の体重がある程度成長するまでは人の手で育て、体力をつけてから親鳥へ返す「初期人工育雛(いくすう)」という方法にたどり着き、現在に至っている。
「初期人工育雛」では、ペンギンが人間を親として認識しないよう、世話をするスタッフはペンギンマスクを装着。声は一切発さずに録音した親鳥の鳴き声を聞かせながら給餌を行うのだという。
私たちに学びや癒しをもたらしてくれる動物園は、裏で働くスタッフたちの不断の努力によって支えられているのである。