芸術とは・・・
フランスを拠点に活動するアーティストグループ「Obvious」は、芸術における人工知能や機械学習の可能性を探っている。
パブロ・ピカソの名言「コンピューターなど役に立たない。答えを出すことしかできないのだから」
彼らはこの言葉に対して「意義あり」のスタンスを取る。
10月25日、Obviousは人工知能アルゴリズムによって作成した「肖像画」をオークションに出品。
肖像画のタイトルは「エドモンド・ベラミー」。肖像画といっても、モナ・リザのように繊細なものではなく、なんとか人として認識できるくらいのレベルのものだ。
予想額は7000~10000ドル程度であったが、結果として43万2500ドル(約4900万円)という驚愕の高値で落札され、多くのメディアがニュースとして取り上げることになった。
「エドモンド・ベラミー」は、「敵対的生成ネットワーク」という方法を用いて作られたものである。
まず、14~20世紀にかけて描かれた肖像画のデータおよそ1万5000点を用意。
そのデータから画像を生成するネットワークと、作られた画像を評価するネットワークの2つを用意し敵対させることで、お互いに自発的に学習させていく仕組みである。
Obviousは、画像を生成するネットワークが学習していく様子を動画にして公開している。
「私たちはアルゴリズムが新しい絵を作り出すのを見ました。そしてそのポテンシャルに驚いています」
Obviousのメンバーの一人・バーニヤさんはそう語っている。
「人工知能にも、芸術の世界に居場所があると思います。人工知能は、過去の作品のデータからアートを再現しようとしますが、それは知っている知識から何かを創り出そうとする行為に似ているのです。」