貨物室から立ちのぼる悪夢の匂い・・・
みなさんは、果物の王様ドリアンの匂いを嗅いだことはあるだろうか。
ネット界隈では”玉ねぎの腐った匂い”やら、”ウンチの匂い”やら散々な言われようで、「ちょっと言い過ぎなんじゃない?」と思う方もいらっしゃるだろう。実は筆者もその一人だったが、ドライドリアンを食べた際、脳を貫くほどの強烈な化学物質の匂いで半泣きになった覚えがある。
先日、インドネシアの航空機が、このドリアンの匂いが漂っていたせいで遅延するという事態となった。
事件が起きたのは11月6日のこと。南スマトラのブンクル州を離陸しようとしていたスリウィジャヤ航空の旅客機の出発が大きく遅延した。
その原因となったのは、貨物室に入っていた2トンを超えるドリアン。
乗客が搭乗すると、機内に漂うドリアンの匂いでクレームが入り、搭乗を拒否する客も現れたという。しかし、機長は「いったん離陸すればドリアンの匂いは消えます」と説明し、フライトに問題はないことを話したという。
しかし、それでも降機しだす乗客が次々と現れたため、機長はやむなくドリアンをおろしたとのこと。1時間の遅延の後、同機はジャカルタへ飛び立っていったという。
後日、スリウィジャヤ航空の広報担当者であるレトリ・マヤ氏は「航空機でドリアンを輸送することは法律上問題はなく、運輸規定に則って運んでいた」と弁明。そして、他の航空会社も同じように運んでいると語っていた。
ドリアンの匂いを消すために必要な予防措置はとっていたというが、機内に漏れ出していたということは、対策も追いついていなかったということだろう。もし積んだまま離陸していれば、悪夢の飛行機旅となっていたはずだ・・・。