英雄の像を倒したら・・・
11月上旬、東欧のクロアチアに住む65歳の男が、路上にたてられていた銅像を蹴り倒そうとし大怪我をするという事故が起きた。
倒されてしまったのは、クロアチア西部の都市スプリトにあるラデ・コンチャル像。
この人物は第二次世界大戦中、ファシズム政党・ウスタシャの政権下で反旗を翻したパルチザンの1人。レジスタンス運動を指示したコンチャルはイタリア軍にとらえられ、わずか31歳の若さで処刑されてしまった。
クロアチアでは彼らパルチザンは英雄として扱われているが、1991年の旧ユーゴからの独立以来、反ファシストのモニュメントが破壊される事件が多発している。
今回事件を起こした地元に住む65歳の男は、早朝4時ごろに公園に入り、繰り返し銅像を蹴って突き倒したのである。
しかし、銅像は男が立っていた方向に倒れ、足を挟まれ重傷を負うことに。足は骨折し緊急搬送され、手術を受ける事態となったという。
▲現場周辺の様子
このニュースがでると、SNS上では「ファシストへのコンチャルの復讐だ」といった声が上がり、クロアチア政府からも「野蛮な破壊行為である」と非難するコメントがよせられていた。
今年の8月にも、アメリカで南軍兵士の像が倒されるなどの事件が相次いでいた。世界的に民族や思想による対立が深まる中、こうした歴史的な像をめぐる事件は後を絶たない。
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