4900年前の人骨からペスト菌を発見…新石器時代から青銅器時代へのミッシングリンクを埋める

カルチャー

かつては高い致死性を持ち、恐れられた感染症「ペスト」

感染すると黒い斑点が皮膚に現れ、数日のうちに死に至ることから「黒死病」とも呼ばれていた。

抗生物質のない時代は感染を防ぐ手立てもなく、パンデミックによって大幅に人口が減少したと言われている。

ペストがいつから、どうやって伝染病として成立したのかは、明確にはわかっていない。

しかし先日、スウェーデンの研究チームが、4900年前のヨーロッパで生活していたと見られる女性の死体から、ペスト菌を発見したことを発表した。

4900年前というと、人類は新石器時代である。

ヨーロッパの新石器時代の文化は、東からの移住者によってもたらされたペストによって一掃されたと考えられていた。そして、ペストに耐性を持っていた移住者たちだけが生き残り、その後の青銅器時代を築いたというのが通説である。

今回のペスト菌の発見は、その説を裏付ける結果のように思われる。しかし研究者は、ペスト菌の遺伝子配列を解析することにより、「移住者よりもペストのほうが先にヨーロッパに到達していたのでは」との新しい見方を示した。

近年の系統学的な研究によると、ペストはおよそ5700年前に先祖の細菌から分岐して生まれたと考えられている。

分岐したばかりの「マイルドなペスト菌」が、人間社会を崩壊させるほどの「破壊的なペスト菌」に進化するためには、人口の少ないアジアよりも、ヨーロッパの過密的な巨大集落が最適な環境である。

したがって、ぺストは持ち込まれたわけではなく、ヨーロッパで進化し流行。人口が減ったその地域に東から移住者がやってきて新しい文化を築いた、という新しい理論が打ち立てられたのだ。

研究者らは、「マイルドな菌」が「破壊的な菌」へと進化する過程を明らかにすることで、ペスト以外にも、近年問題になっている感染症へのブレイクスルーへとつながっていくことを期待している。

参照元:TwitterIFLScience

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