高級ブランド・プラダの最新プロジェクト「プラダマリア」が物議をかもしている。
プラダマリアは、「どこか生物的で、どこか人工的、そしてまちがいなくプラダらしい不思議なミニチュアの生き物」というコンセプトのもとデザインされたキャラクターである。
プラダの店舗には、このプラダマリアの人形やグッズがディスプレイされているそうだ。しかし弁護士のチェニエレ・エズィエ氏がこれに意義を唱えている。
エズィエ氏が苦言を呈したのは、茶色い顔に赤い大きな唇が特徴的な「オット」というキャラクターである。これが「差別的な黒人描写そのもの」だと語っている。
エズィエ氏のFacebook投稿は以下のような内容である。
私は普段そんなに投稿することはないのですが、今は怒りに震えています。今日、スミソニアン博物館で黒人の歴史に関する展示を見てきました。その帰り、プラダの店舗の前を通りがかったとき、博物館で見たのと同じような差別的な黒人描写を見かけました。店に入ると、サンボのような黒人描写が目が回るほどたくさんありました。プラダの店員に「差別的なものを店内に置いていると気付いていないのですか」と聞くと、「黒人の店員に指摘されたことがあったが、彼はもうここで働いていない」と言われました。歴史を繰り返してはいけません。黒人はもっと良い待遇を受ける権利があり、それを要求する権利もあります。みなさん、#StopBlackface #BoycottPrada #EndRacismNowなどのハッシュタグをつけて、SNSでシェアしてください。
「黒い顔に大きな唇」というステレオタイプな黒人描写は、現代社会においてはご法度。日本でも、「ダッコちゃん」が差別的だとして批判を受けたことがある。
プラダによると、オットはサルをモチーフにしたキャラクターであり、決して黒人を表現したものではないそうだ。
しかしエズィエ氏が投稿した「オット」と「差別的な黒人描写」を横並びにした画像を見ると、批判が巻き起こるのも無理はないように思う。
エズィエ氏の主張は多くの人からシェアされ、大手のメディアもニュースとして取り上げた。
そしてプラダは正式に、オットの販売を取りやめることを表明した。
[2/] #Prada Group never had the intention of offending anyone and we abhor all forms of racism and racist imagery. In this interest we will withdraw the characters in question from display and circulation.
— PRADA (@Prada) 2018年12月14日
プラダグループは、誰かを傷つけるつもりなどなく、人種差別に強く反対しています。議論が起こっているキャラクターについては、陳列・流通を取りやめます。