トイレを作るって約束したのに
12月中旬、インドに住むハニファ・ザアラちゃん(7)は数年にもわたりある約束を守ってくれない父親に激怒し、警察に父親を逮捕してほしいと通報した。
7-year-old Indian girl seeks father's arrest over toilethttps://t.co/YOVicrXYZQ pic.twitter.com/kQB51wTi9y
— Khaleej Times (@khaleejtimes) 2018年12月12日
その約束とは「トイレを作る」ことだった。
クラスでトップの成績が条件
近所でも数件にしかトイレが設置されていないような地域で育ったハニファちゃんは、保育園に通っていた頃から父親にトイレを作ってほしいと懇願していたと言う。
Vellore District Collector felicitated Ms. Hanifa Zaara , 7 yr old girl of Ambur for her daring effort of going up to file complaint petition against her father for giving false assurance @ Ambur Women Police Station.#SBM-Vellore DT# Tamilnadu pic.twitter.com/yqyFXMdgc2
— SwachhVellore (@SwachhVellore) 2018年12月14日
▲背後のブロック塀で囲まれたところが作りかけのトイレ
外で用を足すのが恥ずかしかったの。だってみんながジロジロ見るんだもん。学校でいい成績を修めたらトイレを作ってくれるってパパは言ったわ。だから保育園から今までずっとクラスでトップの成績を取ってきたのに、いまだにパパは約束を守ってくれないのよ!
7 yr-old Hanifa Zaara, the Brand Ambassador of Ambur Municipality #SwachhBharat scheme @jayamenon64 @Arun_Ram @sureshkumarTOI @gladwinemmanuel @saliljoseTOI @TOIChennai pic.twitter.com/rcKtmbPmfV
— Shanmugha Sundaram J (@shanmughamsjTOI) 2018年12月12日
何度頼んでも「いつかやるから」の一言で片づけてきた父親に対し、ついに堪忍袋の緒が切れたようだ。父親を逮捕してほしい理由を書面で述べ、証拠として自身の学校での成績も付け加えて警察に提出したというしっかり者ハニファちゃん。
費用が足りなくてトイレ作りを先延ばしにしていたと語る父親だが、警察立ち合いのもとで話し合い仲直りをしたという。
トイレ普及率の低さが招く子供たちの死
Hanifa Zaara (7) uit India besloot naar de politie te gaan, omdat haar vader zich niet aan de belofte had gehouden om een toilet te bouwen. In @oogopmorgen antropoloog Sandrien Verstappen over de ernst van de situatie: https://t.co/YogTkzM7H8 pic.twitter.com/oDNjDbkWtd
— NPO Radio 1 (@NPORadio1) 2018年12月13日
人口13億人を超えるインドでは、いまなお5億人以上もの人たちがトイレではなく屋外で用を足している。
衛生問題や宗教的背景が絡むなかでのトイレの設置はそう簡単ではないようだが、今回のハニファちゃんの行動がきっかけとなり事態は前進することとなった。
ハニファちゃんの訴えに心を動かされた地区役員は資金を募り、彼女の住む地区に500のトイレを設置する方針を固めたのだ。
インドでは毎年7万人もの子供たちが衛生上の理由で命を落としているが、これにはトイレの普及率が格段に低いことも関係している。ハニファちゃんと父親の他愛もない親子喧嘩が、意外なところでトイレの普及につながる結果になったことは喜ぶべきことなのだが、インドの現状が改めて浮き彫りになったとも言えるだろう。