コーチと振付師による人種差別
高校でダンスチームに所属していたにもかかわらず、チームメイトたちが髪の毛につけていたリボンを与えられなかったり集合写真から除外されていたらどんな気持ちになるだろう。
そんな辛い経験をした一人の黒人女性が、今訴訟に踏み切ったという。
現在、ミズーリ大学のダンスチーム『ゴールデンガールズ』に所属しているカミール・スターディヴァントさん。
しかし、2018年5月にカンザスのブルーバレイ・ノースウェスト高校を卒業するまで、こともあろうかコーチや振付師から度重なる人種差別を受けてきたというのだ。
肌の色が暗いからチームで踊るな
Choreographer Kevin Murakami told high school student #CamilleSturdivant her skin is ‘too dark’ to be in a dance performance and that she would take away from the other girls. Sturdivant is suing Blue Valley Northwest High School
Hope she gets every pennyhttps://t.co/E6drCUePB4— Etan Thomas (@etanthomas36) 2019年1月19日
当時14人いたチームメンバーの中で黒人はカミールさんをいれて二人だけ。そんな彼女たちは暗い肌の色がチームのコスチュームと合わず、観客の目が二人にいってしまうと、振付師からチームで踊ることを禁じられたという。
そんななか、決定的な瞬間が訪れる。
ある日、ダンスの練習中にコーチから音楽を流すようスマホを渡されたのだが、そこには振付師との間でなされていた目を疑うようなトーク履歴が残っていたのだ。
The only good news in the story:
Camille Sturdivant won a spot on the University of Missouri dance team for the 2018-2019 academic year.Her high school dance coach Carley Fine and choreographer Kevin Murakami were sickened at her success pic.twitter.com/kggKzDfYPO
— ⚡️Kathy E Gill (@kegill) 2019年1月20日
「マギーがまたダメだったなんて信じられない」
「そうだな、そしてカミールが受かるっていう」
「意味わからない、怒りがこみあげてくるわ」
「胃が痛い、ただ黒人だからって理由だろ」
「本当にうんざりだわ」
明らかに黒人である自分に嫌悪感をあらわす内容にショックを受けたカミールさんは、すぐさま両親とともに校長に話し、コーチは解雇されたという。
その際に、学校の敷地内に入らないこと、カミールさんやチームメイトに接触しないことなどが命じられたというがそれが守られることはなかった。
コーチ、振付師、保護者に対し訴訟を起こす
チームを卒団する際にお別れ会が開催される予定だったものの、すでに支払いを済ませていたカミールさんともう一人の黒人少女のもとへ突如キャンセルの連絡がはいった。
しかし、その裏で解雇されたはずのコーチとその他のメンバーは別の場所でお別れ会を開催していたのだ。
▲現在のチームで笑顔を見せるカミールさん
のちの調査でチームメイトの保護者のひとりもその人種差別に関わったとされ、カミールさんは自身が受けた屈辱的な差別の訴訟を起こし損害賠償を求めている。
高校時代に辛い経験をしたぶん、「ゴールデンガールズ」で笑顔を取り戻し、再び輝いてほしいと願ってやまない。