殺し屋だって走りたいっ!
2015年7月、英マンチェスター・クリフトンにて、北西部のサルフォードを仕切っていたというギャングのボス、ポール・マジーが射殺される事件が起きた。
更にその3年後、次にマジーの親友であるジョン・キンセラという男が、妊娠中の妻と犬の散歩をしている最中に銃撃を受け殺害される。
犯人は「氷の男」と呼ばれる殺し屋、マーク・フェローズと見られており、マンチェスター警察署は約720万円(50000ポンド)もの懸賞金をかけて情報を募っていた。
そんな中、フェローズは意外な形で発見されることとなった。
警察はそれまでにフェローズには目をつけていたが、逮捕の決め手となったのは彼のランニング趣味だった。
ポール・マジーが殺害される2か月前、彼は「Great Manchester 10K」という市民マラソンに出場しており、走っている姿が撮影されていた。(上の埋め込み画像)
参加リストから住所を特定し、捜査官がGPSを設置したところ、2人の被害者を殺害していった足取りが明らかに。こうして昨年5月30日、彼は恋人と共に出国しようとしたところを逮捕された。
マラソン専門誌”ランナーズワールド”の調査によると、彼はポール・マジーを殺害した2週間後にもハーフマラソンに参加していたという。
ここから同誌は、拘留前のマーク・フェローズに取材したところ、「混乱やトラブルなどなく、友人や同僚と楽しい時間を過ごすことができました。私と他の走者をつなぐ唯一のものは、走るのを愛する心です!」とメールで返信されたという。
その後、先日1月17日の公判で、彼は終身刑を命じられたという。
このまま一生塀の中なので、マラソンに参加することはできないだろう。しかし、例え冷徹なヒットマンであったとしても、趣味の時間を大切にするところに・・・どこか親しみやすさを感じてしまう事件であった。