追い払うため?アシカの群れに爆竹を投げ込む漁師
カナダ・ブリティッシュコロンビア州のホーンビー島は、定置網漁が盛ん。しかし、野生のアシカが魚を食い荒らすため、漁師たちは収穫量が減り悩んでいるという。
こうしたアシカの群れを追い払おうとした漁師の映像が、フェイスブックで議論を湧き起こしている。
問題となった映像がこちらだ。
この動画は、地元の漁師・アラン・マーデン氏がフェイスブックに投稿したもの。海で泳いでいる無数のアシカたちに向かい、クマ用の爆竹に火をつけて投げ込むというものだった。
時間差で大きな音を立てて破裂する爆竹に、一斉に逃げ出すアシカたち。この映像には、「酷すぎる」「アシカが死んでしまう」といった批判する声が大きく上がっていた。
これを受け、マーデン氏は批判に対し反論。
カナダの放送局”CBC”のニュース内にて、爆竹を使ったのはアシカを傷つけるためでなく、追い払うためだったと語った。
「私たちはアシカを殺そうとしていたわけではありません。
彼らが仕掛けの近くにいたから、ひっかかって危ない目に合わせないようにしたのです。それで、お互いの問題と利益のためにも、爆竹で追い払う方法を考えたのです。
過去にアシカに噛み付かれ、引きずり落とされ溺れたことがありましたが、幸いにも車椅子に乗らなくて済んでいます。」
マーデン氏によると、過去に船に乗り込んだアシカに怪我をさせられたことから、この爆竹による手段は乗員の安全のために行なっているそう。
このインタビューを受け、オンライン上には「いかなる理由であれ、意図的に彼らを傷つけようとするのは許さない。」といった批判と、「我々も魚を食べて生きている。漁師の安全は最も優先されるべき」といった擁護の意見があがっていた。
政府と専門家の反応は「NG」
そんな中、カナダの海洋水産庁はマーデン氏を法的に処罰する姿勢を見せた。
声明では、「海に生息する野生の哺乳類に危害を与えたり、殺したりすることは、連邦規制法に違反している。」と明かし、「罰金を科す可能性がある」とも述べている。
さらに、ブリティッシュコロンビア大学の海洋生物学者、アンドリュー・トリット氏も、マーデン氏の行いを批判している。
「動物の頭のすぐ横に爆竹を投げれば、破裂の衝撃で耳を怪我するでしょうし、目の前に落ちれば、目も怪我していたことでしょう。
彼らが『アシカを傷つけようとしていたわけではなかった』と主張してたのは知っています。なら、実際に彼らに火をつけた爆竹を持たせ、手の中でそのまま爆発させる動画を撮ってもらいたいものですね。」
このように専門家が批判し、海洋水産庁が罰則を与えると明かした後でも、今なお議論はやんでいない。みなさんはどうお考えだろうか。