サポーターを動物扱い
数十年前だと、ヨーロッパのサッカーファンは試合後に暴徒化することは珍しくなかった。そうした暴徒化したサポーターは「フーリガン」と呼ばれる。
そんなフーリガン対策のため、ポーランドのサッカー場に新しいスタイルの観客席が導入されたという。
そう、檻である。椅子すら用意されておらず、もはや刑務所にしか見えない。
この観客席(?)は、ポーランド北東部の都市ビャウィストクにあるスタジアム・グディニャに新設されたもの。
3月10日に行われた対”スパルタクス・デレスジス”戦でお目見えし、中にはIV liga所属チーム”フットニク・ノヴァ・フタ”のサポーターがぶちこまれてしまった模様。
ポーランドのサッカーのルールでは、お互いのサポーターを引き離して応援させなければならない。そのため、通常の観客席でも大きなフェンスを設け、暴力行為に及ばないよう徹しているのだ。
▲通常の観客席にも高いフェンスが設置される
さすがにこの扱いにはブチギレるサポーターが続出するかと思いきや・・・
動画のラストの写真では、選手と握手したりとなかなか楽しそうである。中は泥で汚れ、動物園以下の汚さだというのに、これが原因で暴動が起きたわけでもないようだ。
そんな中、画像がアップされると大きく拡散し、同国の複数のメディアも「まるで動物園の檻のようだ」とサッカースタジアムを批判。
“フットニク・ノヴァ・フタ”の監督である、アーサー・トレバクス氏も、ポーランドサッカー協会安全委員会に向けメッセージを送ったという。
「ファンたちは、まるで野生動物を入れるような鉄棒でできた檻に閉じ込められていました。
サッカースタジアムの安全管理は最重要事項であることは理解していますが、このような構造ではスタジアムコミュニティに親しんでもらうことはできません。」
これに対し、サッカー協会側もすぐさま反論。
「我々だけがこの観客向けの安全柵を設置しているわけではありません。
この観客席は、警察とポーランドサッカー協会安全委員会の指示と警告をもとに設計されたものです。
私たちはサポーターのもとにできる限り立ち寄り、トイレや救急隊の利用をしやすくなるよう心がけています。
また、水が欲しいと言われれば飲料水を供給しますし、スナック菓子も提供しております。」
最後の一文は、まるで動物に餌をあげているようにしか聞こえない。それだけ暴れん坊なサッカーファンが後をたたないということなのだろうが、コミュニティの健全化を阻んでしまう可能性がある。
日本のサッカーファンの皆さんは、これを見てどう思うのだろうか・・・。