椅子が走り植木鉢が転がる地獄絵図
3月23日(土)、ノルウェーの海上を運行していたクルーズ船「MVバイキング・スカイ」が悪天候に見舞われ、機関停止する事態が起こった。
MVバイキングスカイは、ノルウェーの”バイキング・オーシャン・クルーズ社”が航行している客船。ベルギーを出港し、ノルウェーを経由してロンドンの到着を予定していた。
しかし、警戒から18時間後、4基あるエンジンのうち1基が故障し航行不能に。故障した1基を除く、残り3基のエンジンの再起動を試みている中、岩礁に衝突する危険性が高まったため、メーデー(遭難信号)が発せられた。
その間船内にいた1300人の乗客は、椅子や家具にしがみつき救助を待っていたという。
荒波に揉まれ、左右に大きく揺れる船内。床には植木鉢が転がり、椅子は走り出す始末。天井のパネルも崩落し、危うく女性が怪我をしそうになっている。
このような状態で30分間漂流していた後、ヘリコプターが悪天候に阻まれながらも乗客を479人を救助。ヘリは一人ずつ吊り上げて救助するうえ、定員は最大10名〜15名のため、輸送には何時間も時間がかかっていたという。
その後、2基のエンジンの再起動に成功すると、近隣のモルデという街に寄港した。
当時の乗客数は1373名で、そのうち17名が緊急搬送され、3名が重傷を負っているという。全乗客のうち915名はイギリスとアメリカから利用客だった。
その後、当局の担当者は「悪天候だけが原因であると決めつけるのは時期尚早かもしれません」とコメントを発表。現在も原因を調査中とのことである。