まさかのヅラに税金の無駄遣い
世界各地でたびたび税金の無駄遣いが問題になっているようが、アフリカのとある国では、あるモノに多額の税金が使われ、国民の怒りが噴出しているという。
それは、なんと裁判官がつけるカツラである。
日本人の我々からすると時代錯誤にしか見えない光景だが、本人たちはいたって大真面目。その理由は、イギリス植民地時代に遡る。
中世のイギリスにおいて、被告からの復讐から守るため、個人の判別ができないように法曹はカツラの着用が義務付けられていたという。やがてこのルールは植民地にも伝播したが、現代においては形骸化し、単なる正装としてしか扱われなくなった。
イギリス本国においては、2008年から一部の裁判を除きカツラや法衣の廃止が決まっている。しかし、植民地時代の名残を残すジンバブエでは、まだこの慣習は続いている。
こうした中先日、英紙インディペンデントが、ジンバブエ政府が裁判官のカツラを買うために、およそ1700万円(11万8400ポンド)を使ったことを報道。
問題のカツラは馬の毛でできており、ひとつおよそ27万円(1850ポンド)相当。これを64点、イギリス本土の企業から輸入していたという。同社の経営者は、「伝統的衣装をつけることで、裁判官は法廷で尊敬を集める」と語る。
これに対し、弁護士団や人権団体からは非難が殺到している。「植民地支配に反対しているくせに、いまだにこのカツラをつけているとは」「小児病棟の資金すら出せない政府がカツラに金を出すなんて」といった厳しい声が上がっていた。
旧植民地である南アフリカやオーストラリアは廃止しているが、ガーナやザンビア、そして香港の法廷では、現在もこのカツラが用いられている。