貧乏でも勉強を頑張る男の子
3月末、ペルー北部モチェの街で、夜だというのに12歳の男の子が道路沿いで勉強しているのが目撃された。
彼の姿は監視カメラに捉えられており、地元警察が彼の姿を公開したところ、その懸命さに多くのネットユーザーが胸を打たれたという。
街灯の明かりを頼りに、テキストを広げて一生懸命に勉強している。この動画は5万回も再生され全世界に拡散されると、地元メディアがこの真相を探るべく、彼の自宅に直撃した。
彼の名前はヴィクトル・マルティンくん。地元の小学校に通う12歳の男の子である。貧乏な一家で育ち、電気も通っていない家で暮らしているという。
日が昇っているうちは家の中で勉強ができるというが、日が沈むとロウソクの明かりを頼りに勉強をしなければならなかった。
しかしその日は、たまたま宿題を日中に終わらせることができなかった上、消えかけのロウソクのゆらゆら揺れる灯りではやりづらかったようだ。そしてやむをえず、外の街灯の下で宿題をしていたのである。
その姿を見ていた母ローザさんは、地元番組”Panamericana TV”の取材において「あの時、私の息子は『このままロウソクで勉強し続けたら、頭がおかしくなりそうだ!外で宿題をやったほうがまだマシだよ!』と言っていました。」と語る。
さらにヴィクトルくんは、暗い中でテキストを見ようと顔を近づけすぎ、若くして首のコリにも悩まされている模様。これほどの不便の中で、彼は毎日家で飼育する羊の面倒を見ながらも、学校の授業も真剣にうけ、とても良い成績を収めているそう。
そんな彼に、ついに助けの手が差し伸べられた。
これを聞きつけた市長がヴィクトルくんの家を訪れ、「これ以上街灯の下で勉強することがないように」と日々の電気代を個人的に支払うことを約束したのである。生活費の約5%の援助だというが、一家にとっては大切な収入源となったようだ。
最後に、ヴィクトルくんはこのように語っている。
「みなさんの助けによって、家に電気がつくようになって、道路で勉強する必要はなくなりました。
僕は家族を助けて、生活をもっと楽にしてあげたいです。将来は警察官になって、悪い世の中を終わらせたいです。」
彼のひたむきな努力によって、夢が叶うことを願うばかりである。