人間のようにセルフィー撮影するゴリラ
「うちの旦那なんかさ〜」などと、突然子供が言い出したことはないだろうか。幼い子供たちは親の様子をよく見ている。それゆえに、親の言葉遣いや仕草を真似したりするものだ。
しかし、それは何も人間だけに限らない。それを証明する1枚の写真が話題を集めている。
4月中旬、アフリカ、コンゴ民主共和国にあるヴィルンガ国立公園で撮影された写真である。
パークレンジャーのマティウさんがセルフィー撮影をしたものだが、背後に写る2頭のゴリラもポーズをバッチリ決めてカメラに収まっているのだ。
その姿はまるで、自撮りに慣れた人間のようだと世界に衝撃を与えている。
最も危険な国立公園の実態
ここでは、密猟者などに親を殺されたゴリラたちが保護されている。
2007年に親を殺されたこの2頭のゴリラたちは当時生後2ヶ月と4ヶ月で、その頃からマティウさんの手で育てられてきた。以来、マシューさんの真似をすることは決して珍しいことではなく、写真のように二足歩行をしたりまるで人間のように振る舞うのだという。
世界遺産にも登録されているこの国立公園では、アフリカに生息するマウンテンゴリラの約3分の1が保護されているが、隣国ルワンダで内戦が勃発し、日々危険と隣り合わせだ。
We thank you all for your kind messages of support. This tragedy is a devastating reminder of the bravery of the rangers. Angèle will run the @LondonMarathon with her colleagues top of mind. Any donation you can give would be hugely appreciated: https://t.co/xnYJHj3jpf pic.twitter.com/nnuFNFyatI
— Virunga NationalPark (@gorillacd) April 11, 2018
2009年以降、密猟者や民兵組織によって国立公園で働く職員が200人も殺害され、このように命を落とした職員の死の弔いのツイートもしている。
今回インスタグラムに投稿したゴリラとのセルフィーには「いつもの仕事の1日」とキャプションがついているが、決して楽しいだけではなく、レンジャーたちは絶滅危惧種を守るために日々戦っているのだ。このようなSNSへの写真の投稿は、保護活動を続ける上での基金を呼びかけるためのものでもあるといい、今回の写真の反響で多くの資金援助が期待されている。