世間を賑わせたミイラ事件にフェイクの可能性
6月26日、ロシア・シベリア地方南部にある洞窟で、猟師の男性がほぼミイラの状態で発見されたというニュースが報じられた。
そのうえ生存していたという情報も明らかになり、この衝撃的なニュースはイギリス大手メディアをはじめとした全世界に拡散された。
しかし、ロシア・ソチの地元メディア”ソチストリーム”と、ファクトチェックサイト”Snope.com”は、これはフェイクであったと断言している。
報じられたニュースの全容
発見された洞窟は、ロシア中央部のトゥヴァ共和国の山中。元の報道によると、男性はハンティングのために愛犬と共に山に入っていたというが、途中でクマに襲われたという。
その際に背骨を骨折し、クマは彼を保存食として巣穴の中に引き摺り込んで行った。これは、クマが自分の餌を自分の敷地内においておくあるからだ。
こうして先日、1ヶ月洞窟の中で暮らし、全身が化膿した瀕死の状態で発見されたと報じられた。
病院に入院する男性の姿は動画におさめられたが、ほぼミイラと化していながらも口を動かして喋っている。この衝撃的な映像により、ニュースは世界中に拡散されることとなったのである。
しかし、このニュースを一部メディアはフェイクであると報じている。
男性の映像は薬物中毒者か
ファクトチェックサイト”Snope.com”によると、問題の動画はニュースよりも前に、ロシアのチャットアプリの中で拡散されていたという。
更に、トゥヴァ共和国の当局の担当者は、「こうした事件は起きておらず、この男性はどこの病院にも収容されていない」と公表。さらに動画内で話されている言語も、トゥヴァ共和国の話し方ではないと指摘している。
また、保健・社会開発省もこうした事実は確認されていないと発表している。
この事件の真相についてはいまだに明らかになっていない。だが、皮膚の壊疽や感染症、腫瘍を引き起こすドラッグ「クロコダイル」の中毒者である説が最も有力とされている。
参照元:Snope.com、Sochi Stream、Facebook [1]、[2]、