人食いアメーバで10歳少女が死亡
9月16日、米テキサス州に住むリリー・メイ・アヴァンちゃん(10)の遺族が彼女の死を公表した。
そしてその原因は、「フォーラーネグレリア」という脳を食べる人食いアメーバの感染症によるものだった。
川や湖で泳いで感染
レイバーデイ(労働者の日)の連休中であった9月2日、同州にあるブラゾス川とホイットニー湖で泳いでいたリリーちゃん。しかし、その翌週末の8日には頭痛と高熱に見舞われ、家族はウイルス性の感染症を疑い、かかりつけの病院に連れて行ったという。
その後まもなく意識障害に陥ったリリーちゃんは救急病院に搬送され、その結果、原発性アメーバ性髄膜脳炎という人食いアメーバによる感染症を発症していることがわかった。そして、その後も予断を許さない状況にあったのである。
致死率97%の恐ろしいアメーバ
「フォーラーネグレリア」は温かい淡水に生息する単細胞の病原体で、鼻などから体内に侵入し、いずれ脳に到達する。そして、致死率97%と言われているこのアメーバに感染すると命が助かることはほぼない。通常、感染してから1週間前後で初期症状があらわれ、そのまま命を落とす恐ろしい感染症なのだ。
米疾病対策センターによると、アメリカでは1962年から2018年の56年の間に145人の患者が報告されているが、これまでに生存者はわずか4人しかいないという。今回リリーちゃんが5人目の生存者になることを期待されていたが、家族の願いもむなしく、まだ10歳の幼い少女が命を落とすことになってしまった。
今回、リリーちゃんと同様に川や湖で泳いでいた人はたくさんいたが、リリーちゃんの他に感染した人は確認されておらず、感染すること自体が稀だという。また問題のアメーバはアメリカ全土の淡水に生息し、特に危険性が高い水域があるわけではないようだ。
川や湖で泳ぐのをひかえるしか対策はないのかもしれないが、昨年にはプールで人食いアメーバに感染し亡くなった男性も報告されており、打つ手がないのが現状である。
今後、さらなる調査や研究がおこなわれ、新たな犠牲者が出ないことを願いたい。
参照元:YouTube