「下半身のムダ毛を脱毛して!」トランスジェンダー女性の要望を断ったサロンが訴えられるも却下される事態に

カルチャー

「女性の権利のために戦うことを諦めません!」

自身のTwitterにこう投稿していたのは、カナダのブリティッシュ・コロンビア州を拠点とするトランスジェンダー活動家ジェシカ・ヤニフ氏である。彼女はこの世に男性として生まれ、性転換手術はおこなっていないものの現在は女性として生きている。

睾丸のムダ毛を脱毛してほしい

そんなヤニフ氏は、今年に入り、地元の個人経営のエステサロン5件を相手取り裁判を起こしていた。その理由とは、ブラジリアンワックス脱毛を断られたからだという。

この話だけを聞くと、トランスジェンダーに対する差別かのように聞こえるかもしれない。だが、ヤニフ氏の要望は、自身の睾丸のムダ毛を脱毛してほしいということ。

そう、女性として生きているヤニフ氏だが、身体は男性のままで、当然のことながら男性器もあるのだ。

男性器の脱毛の強要はできない

そして10月22日、注目されていた裁判の判決が言い渡された。

5人のエステティシャンに対し損害賠償金の支払いなど7つの事案に対する判決を求めていたヤニフ氏だったが、裁判所はこの訴えをすべて却下した。そして反対に、5人の内3人のエステティシャンに対し約17万円の支払いをヤニフ氏に命じたのである。

その理由はこうだ。

彼女たちに男性器のムダ毛を処理した経験はなく、女性の身体に施術をおこなうのとはまた違った訓練が必要になります。間違った施術をして顧客に重症を負わせることも起こりうるのです。また、彼女たちの宗教上の理由や個人経営での安全面などを考えると男性器の脱毛を強要することはできません。

当初、人権問題にシビアなカナダでの裁判はヤニフ氏に寛容な判決が下されるのかと予想されていたというが、今回の判決に異議を唱える人は少ないようだ。

また、訴えられたエステティシャンのほとんどが移民であったため、日頃から移民に対して不満を述べていたヤニフ氏の訴訟自体が追求されることとなっている。

参照元:7news.com.auInstagram

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sugi

海外生活に憧れ日本を飛び出した、考えるのは苦手な即実行型。自称人生経験豊富だがフリスクの開け方をつい最近知った実は箱入りアラフォー娘。

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