言わずと知れた大都市、ニューヨーク。ファッション、芸術、経済の発信地である。人種のるつぼアメリカの中でも、ここには特に、様々な人が集まり、多種多様なものが生まれている。
日本ではあまり見かけないが、配達専門のレストラン等も流行の兆しを見せているこの場所で、最先端をいくベンチャー企業を10社紹介したいと思う。
サービス関連
HigherDOSE(ハイヤードース)
スーパートリートメントでハイなれるスパ
トレーニング、フェイシャルエステ、鍼灸、マッサージを一度で受けられる赤外線スパを提供している。カロリー消費、デトックス作用、炎症や痛みを和らげる効果があるメニューを提供しており、アンチエイジングを期待できる30~60分のサウナも含まれる。
これらの組み合わせで「ハイ」になれるという。 ガラスと木でできたサウナには色光療法に基づき、6色の赤外線ライトが選べる。スマートフォンを充電したり音楽を流せる機能も設置されている。利用は約5000円(45ドル)から。
ただのスパじゃ物足りない!そういった方にはオススメのサービスだろう。しかし、この企業のインスタグラムアカウントを見ると、なんともセクシーな女性が多く写っており、よもやこれは、所謂”パーティーピーポー”向けのものなのかもしれない。
実際にハイになっている人の映像。
サウナで蒸されているというのに、なんだか楽しそうである。
ImaxShift(アイマックスシフト)
IMAXスクリーンを使ったエアロバイクエクササイズ
4Kのクリアな立体感を、ものすごく大きな画面で感じられるスクリーンIMAXの前で、45分間エアロバイクエクササイズを行う。参加者は、宇宙空間やハワイの海岸等、様々な空間をあたかもリアルに走っているかのような体験ができるのである。もちろん音響システムも完備されている。定員は50名で1回の教室は約3890円(34ドル)。「ビヨンセ」ライドなどテーマごとのクラスも用意されている。
先程のスパに続き、ありきたりなエアロバイクエクササイズじゃ物足りない!といった方にうってつけのサービス、なのか?
もしやこれは、先日運営が終了したユニバーサルスタジオジャパンのアトラクション、「バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライド」のように楽しめるのではないか。と思っていたのだがCMを見ると、大きな画面の前で50名がエアロバイクをする姿は、なんともシュールだった。
参考までに
(0:30~がそのシーン)
Hometeam(ホームチーム)
高齢者に、近所の熟練した介護ヘルパーを紹介するオンラインサービス。
介護ヘルパーはiPadを使い、高齢者の健康状態や心身状態を管理し、テキストメッセージや画像で高齢者の家族に報告し、高齢者とその家族をサポートする。料金は、1時間約2300~3100円(20~27ドル)程度。
このサービスは、間違いなく日本に必要である。高齢化が進む中、介護サービスを利用する人が年々増加しているにも関わらず、こういった職に従事する方々の給与が低すぎると叫ばれる昨今。ケアマネージャー等の資格等の問題があるため、今の日本では実現性に欠けるが、必要性があまりにも高いのではないかと思わされる。是非、起業家の皆様!否、誰もいないなら、筆者自ら、起業してもいいと感じる公共性の高い事業である。
Tasting Collective(テイスティング・コレクティブ)
シェフ推薦のディナーに参加できるクラブ会員サービス
年会費約2万2800円(199ドル)で、各々のレストランのシェフが厳選した複数のコースメニューを、貸切ディナーで隔月で参加することができる。パートナー店や指定の食品ブランドでの特典やディスカウントもある模様。
真のグルメ向け事業。参加者は本当に美味しいものを食べることが出来、開催レストランは店の宣伝にもなるため、シェフがより腕を振るうことは間違いない。食が趣味の方には、文字通り”よだれのでる“サービスである。
App of Joe(アップ・オブ・ジョー)
1ドル(約115円)コーヒーを採点するアプリ
カフェに頻繁に通うと、一杯200円程度の値段といえども、積み重なればバカにはならない。この「App of Joe」はiOSとAndroidアプリである。このサービスは登録不要。マンハッタンにある約20の個人経営店で、紅茶とドリップコーヒーを約115円(1ドル)、ラテ、マキアート、カプチーノなど2ドル(約230円)で注文できるようになる。その対価として、ユーザーが飲み物を採点するというものである。
コーヒーや紅茶の愛好者は必見!紅茶を毎日飲む筆者からすれば、願ったり叶ったりのサービスである。ただ、日本でこのサービスを実施すると、コンビニの100円コーヒー等がとても美味しいため、これに対し、価格と味で挑戦する個人経営店の苦しみは計り知れない。問題はあれど、広がってほしいサービスである。
フードショップ
CoolMess(クールメス)
自分だけのオリジナルアイスが作れるお店
コンセプトは飽きないアイスクリーム。客は、アイスクリーム機を使い、自分が選んだ液体状のアイスクリームの素に、クッキーやチェリーやパウンドケーキなどの中から選んだトッピングを加え、8分間混ぜ合わせてオリジナルアイスを作ることができる。店が用意するレシピから選ぶこともできる。
個性溢れるアイスクリーム。8分間混ぜるといった工程が、少々気になるが、プレゼントや友人たちとシェアすれば、世界で一つの思い出づくりになるかも?!
Heatonist(ヒートニスト)
試食できるタバスコ店
マイルドから激辛の4段階にわかれた20社以上のタバスコを提供している。パイナップル味、キャロット味、ブルーベリー味もあるという。これらを試食することで味を確かめることができるのである。
香水やワイン、そういったものの試飲や試用のサービスは世の中にたくさんある。がしかし、なんといってもこれはタバスコである。試食できるからといって、舌への刺激は少なからずあるわけで、何度も試食ができないじゃないか!それとも筆者が理解できないだけで、世のタバスコ好きからすれば、なんともないことなのか?
そういえば最近使い切ってしまった、ゆずをタバスコにした「ゆずスコ」が美味しかったんだけど、ここには置いてあるのだろうか。
なんてこった!こんな事を考えさせられるなんて、これは辛さの成分カプサイシンが持っている中毒性のせいか。もしや、試食サービスは、この効果を踏まえての営業戦略?!
Tornado Crepe(トルネード・クレープ)
コーンに入った持ちやすいクレープ
本場フランスの調理手法で作られたクレープ生地が、コーンの容器に入れられている。スイーツ系のフレーバーには砕いたオレオやマシュマロなどが入っている。スイーツ系だけではなく「エビアボガド」「ソーセージ」などがある。他にゴマやグリーンティなどの中華風の具材を使った、オリジナルのクレープも提供している。
コーンに入れる。これ以外は、全く他にあるクレープ店とは大差ないのである。ただ、この誰も思いつかなかった一工夫が、反響を呼ぶきっかけになるのである。
手にクリームがつかなさそうで◎。でも炭水化物が多くなってて、おやつといえどもお腹いっぱいになりそうである。
空きスペース関連
Overnight(オーバーナイト)
急な予約でも部屋を借りられるアプリ
すぐに部屋を予約したい旅行者向けアプリ。ユーザーは、場所から部屋を探す。宿泊希望リクエストを送ると10分以内に返信が届く。返信がない場合は、次に利用可能な宿泊先が表示される。支払いもアプリで行う。こういった素早い方法で、宿泊先を確保できるサービスである。個室が約8000~9200円(70~80ドル)、1軒まるごとで150ドル(約1万7200円)である。予約できる部屋のタイプはソファや布団などの設備をシェアするだけのものから、部屋や家1軒をまるまる借りるものまで幅が広い。
日本では、「民泊ブームの次は民旅がくる!」なんて経済アナリストたちが口を揃え、キーワードのように発している。がしかし、ニューヨークでは、これでもかといった具合に部屋貸しならぬ、ベッド貸し、果てはソファ貸しにまで発展していっている。空いているスペースがあればMOTTAINAI。さすがに、ここまでくると面白みを感じてしまうのは、筆者だけだろうか。
Spacious(スペイシャス)
開店前の洒落たレストランを事務所スペースとして貸し出す
洒落たレストランのスペースを、ディナー前まで事務所スペースとして貸し出すサービスである。1カ月約1万800円(95ドル)または1日約3300円(29ドル)で利用できる。事務所スペースには、Wi-Fi、飲み物、軽食、充電設備などが揃っている。
もう場所にも縛られない。自由にお仕事をする方には、もってこいのサービスだろう。食事の提供も検討されているとあって、なかなか期待が高まっているようだ。無駄をなくしていく。これが新たなビジネスを考えていく上で必要であり、それに付加価値をつけていくいうことが大切であると教えられたような気がする事業である。
ただ、おいしい料理の香りが部屋中に漂えば、仕事どころじゃなくってしまうのは、筆者だけではないはずだ。
流石、ニューヨーク
この10社のみならず、多くのベンチャー企業がひしめくニューヨーク。おびただしい数の人間がいれば、その数のニーズが有り、それに伴ってサービスも生まれるのであろう。
この先、継続できずに消えていくサービスも少なくないはずだ。だが、こういった動きが、街に、はたまた私たちの生活に活気をもたらすのではないだろうか。
現在、日本においてもたくさんのベンチャー企業が、斬新かつおもしろい取り組みをしている。クラウドファンディングが浸透してきた今、挑戦することへのハードルは低くなってきたはずである。これからも「あえてそこに攻めこむ?!」戦略を選び、風変わりなサービスを提供する企業が増えることを期待したい。
参照元:Hometeam、businessinsider、HigherDOSE、Tasting Collective、App of Joe、CoolMess、Heatonist、Tornado Crepe、ImaxShift、Overnight、Spacious、Instagram、[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]、[9]、YouTube、Facebook