新型肺炎のあおりで大きな打撃を受けるバー
新型肺炎の感染拡大を受け、営業停止や縮小を余儀なくされている飲食店も少なくない。
アメリカ・オハイオ州でも、3月15日より、行政から全ての飲食店の営業停止を命じられ、その日の午後9時以降は閉店する事態となったという。これは、夜がコアタイムであるバーにとって辛い仕打ちである。
今回取り上げる、コロンブスにあるバー「コーチーズ・バー・アンド・グリルス」もその一つ。
客足が遠のき赤字状態に陥り、オーナーのベニー・レナードさんは頭を抱えていた。
しかしその日の閉店後、ある一人の客から驚くべきプレゼントを受け取ることとなった。
When the going gets tough, the tough stay loyal. This loyal, amazing patron of Coaches on Bethel left the staff a $2500 tip to help lighten the losses during this required closing of Restaurants & Bars in Ohio. @OnCoaches @nbc4i @GovMikeDeWine @wsyx6 @DinoTrip @10TVBot pic.twitter.com/scTpMJo0N1
— Coaches on Bethel (@OnCoaches) 2020年3月16日
レシートに書いてあるのはなんと2500ドルの文字。つまり日本円にして、26万円ものチップを支払っていたのである。
食事の内容はおよそ30ドル分だったそうだが、その何十倍ものチップを上乗せして支払っていったのだ。
伝票には、「タラ、ニッキー、ジム、リズ、そしてアランに、このチップを均等に分けてあげてください。」と言う文字が。
チップを支払ったのは常連である中年男性で、匿名を希望しているとのこと。店内にあるテレビで流れていたオハイオ州知事のマイク・デウィン氏の営業停止の発表を見て、1時間後にチップを申し出たと言う。
3月16日の地元紙へのインタビューで、レナードさんはこう語る。
「従業員13人全員で分けました。支援していただいた男性の優しさで、スタッフは感動して涙を浮かべ、そして、みんなが笑顔になりました。
この3月15日は、オープン以来最もすごい1日になりました。
いろんな経験をしてきたものですが、こんな思いをしたことは一度もありませんでした。」
国内外で買い占めのニュースが深刻化する中でも、勝手な人ばかりではない。厳しい事態の渦中だが、人々が協力すればきっと切り抜けられるだろう。