社会危機になるとアメリカではひよこが売れる?
新型コロナウイルスによる影響で、トイレットペーパーやマスクの品切れが続出しているアメリカ。そのなかで、一風変わったものが売れているのをご存知だろうか。
“People are panic-buying chickens like they did toilet paper.” Sales of baby chicks are up in the U.S. with many feed stores reporting they are selling out of chicks almost as fast as they can get new orders in. https://t.co/5DZk4hKG9U
— The New York Times (@nytimes) March 28, 2020
3月29日に公開された米「ニューズウィーク」の記事によると、ひよこを購入する人が増加しており、入手困難にもなっているという。
ニューヨークにあるホームセンター「トラクターサプライ社」によると、イースターの季節には需要が高まるため、毎年平時の何倍ものひよこ用意しているそう。それでも売り切れが続出し、入荷するごとに店先には長い行列ができるという。
この現象は、ロックダウンにより働けなくなったことと、ストレスが溜まりやすい退屈な時間が増えたことによるものと考えられている。
アメリカでは従来より、株式市場の低迷や大統領選挙を控えた年など、先行きが不透明な時に同様の現象が起きているという。
ふわふわのひよこに癒される人々
実際に購入したというエイミー・アンネルさん(48)は、普段はテキサス州オースティンを拠点にミュージシャンをしている。しかし、予定していたライブツアーは軒並みキャンセルとなり、アンネルさんは家で時間を持て余していた。
更に、食料品店で鶏肉や卵の取り扱いが減少し、手に入れづらくなっていたという。米農業省の発表では、一部地域で卵の需要が50%以上も高まっており、流通が正常であるにもかかわらず、売り切れが続出しているという。
これを受けアンネルさんは、メスのひよこ4匹と、オスのひよこ1匹を購入。
「パニックが起こる前は、ひよこを飼うなんて考えたことがなかった」とのこと。
いつまでロックダウン状態が続き、仕事を続けることができないかわからない状況だが、アンネルさんは米紙「ニューヨークタイムズ」の取材にて「ひよこの成長を見ていると希望が湧いてきますね」と明かしていた。
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このように、「不景気になるとアメリカではひよこが売れる」説は、嘘ではないかもしれない。
実際に、ふわふわの動物と触れ合うことによって、幸せホルモン「オキシトシン」が分泌されるという複数の研究結果がある。
この世の中だからこそ、ペットに愛情を注ぐことで心の安定が取り戻せるのかもしれない。