熊に遭遇した少年がとった行動
5月24日、イタリア・トレンティーノで母親と母親のボーイフレンドのロリスさんとともにハイキングを楽しんでいたのはアレッサンドロ君(12)。だが、背後に忍び寄る何かに気付いた彼が振り返ると、そこにはヒグマがいたのである。
熊に遭遇したら死んだふりをしろ、なんて昔からよく言われてきたが、アレッサンドロ君のとった行動はこちら。
大きな声を出さずパニックにならず、とにかくヒグマを刺激しないようにゆっくりと落ち着いて距離をとったのである。
熊に遭遇したらまずは落ち着いて
動画の撮影者とみられるロリスさんは、アレッサンドロ君にとって父親のような存在だ。そんなロリスさんが怯えるアレッサンドロ君を落ち着かせようと声をかけ、その指示通りにアレッサンドロ君は体の動きを最小限にとどめ、静かに歩いている。
しかし、その恐怖心から後ろを振り返ると、そこには立ち上がるヒグマの姿が。あまりの怖さに母親に助けを求めるが、ロリスさんは再び落ち着かせるため声をかけるのだ。そして、ようやくヒグマがアレッサンドロ君の後を追うのをやめるのだが、そこでも焦らずにゆっくりゆっくりと家族のもとへ進むのである。こうして、アレッサンドロ君はヒグマに襲われることなく済んだという。
米国国立公園局によると、イエローストーン国立公園で熊が人間を襲う可能性は約270万分の1だという。多くの場合、人間に危害を加えることはないが、臆病な熊たちは人間が大きな声を出したり逃げ出したりするとパニックになってしまうそう。今回アレッサンドロ君がとった行動は熊に遭遇した時の最善の行動だったようで、彼の勇気ある行動と冷静に導いたロリスさんには賞賛の声が上がっている。