潤滑油を使って揚げ物をつくってしまった女性
イギリス在住の74歳の女性が、ポテトを揚げようとして大工用の潤滑油を使用してしまい、有毒ガスにより死亡する事態が発生した。
今年3月の事件だが、女性が死亡に至る経緯を調査した結果が先日公表された。
英紙「mirror」によると、事件を起こしたのはダービシャー在住のキャロル・オールドフィールドさん。彼女はフライドポテトを作っていたというが、揚げ油に食用のものではなく、日曜大工用の「3-in-One」という潤滑油を使用していた。
3-in-Oneは自転車のチェーンなどの修理をするものとして広くイギリスで使用されている。多くが合成油や鉱物油で作られているため、摂取すれば人体に悪影響が及ぶ。
ところが女性はそれを鍋に入れたまま放置し、火をかけたまま、そのまま2時間別室で寝てしまった。起きると部屋には白い煙が充満しており、彼女は自身で通報をしたという。
3つの市の救急隊が駆けつけるも、女性は一見元気だったため、一階の換気が終わるまで2階で待っているよう伝えられた。
病院に向かった後も変わりない様子だったというが、検査入院をしたあと、女性の体調は徐々に悪化。「のどが乾いた」と繰り返し訴え始めた後、数日間にわたり咳を催し始めた。
やがて呼吸器に重い症状があらわれはじめると、3月16日に終末期ケア病棟に移され、わずか2日で亡くなったという。
担当医の診断によると、彼女の死因は有毒なガスを吸入したことによる肺炎。さらに、女性は事故を起こす前にも認知症の初期症状が指摘されていた。
一歩間違えれば火災もおこしかねなかった今回の事故。高齢者の火の取り扱いには一段と注意が必要だ。