命がけで落下した男の子をキャッチ!
7月3日、アメリカ・アリゾナ州フェニックスのアパートで火災が発生し、この家に住む3歳の少年と母親が、火の中に取り残される事態となった。
3階から立ちのぼる火の手は非常に激しく、消火も追いつかず絶望的な状況。だがそこに、ある男性が果敢にも走り込んできた。
映像では、激しく炎上するバルコニーが映り込む。下には赤い服と青い服を着た男性が立っており、中にいる母親に「子供を投げるんだ!」と叫んだ。
思い切って投げ落とすと、赤い服の男性がとっさの走り込みで見事キャッチ。男性が全身で受け止めたため、少年に落下による怪我はなかったという。
救出に来た男性は、地元に住むボディガード、フィリップ・ブランクスさん(28)。高校時代はアメフトの選手、前職はアメリカ海兵隊という経歴を持つ方である。特別なトレーニングを積んでいるだけに、あの身のこなしには納得がいくだろう。
この命がけの救命をしたにも関わらず、ブランクスさんは「特別なことは何もしていません。誰かを助けるのは、ただの仕事の一部だから」として、表彰などは拒否している。
外の騒ぎを聞きつけた火災発生当時、靴すら履かず裸足で階段を駆け下り、助けを必要とする人を見て回っていたという。
この時はとにかく無我夢中で、「周りの全てが早く感じて、ぼやけていました。走っているときは前しか見ていませんでしたし、子供以外何も見えませんでした。」と明かしていた。
米メディア「ABC15」によると、救出された3歳の少年と8歳の少女は火傷により入院中で、中に取り残された母親は亡くなってしまったと報じられている。
幼い姉弟を襲った今回の悲劇。ブランクスさんは現在、二人のために受け入れ先の病院を探しており、できる限りの支援をしようとしているという。
インタビューでは、「正直、子供たちの人生に関わっていきたいです。彼らの人生が永遠に変わってしまうような、悪夢のような経験になっただろうと感じたからです。」と話す。
取材を受けたブランクさんは、目立とうとしているわけではなく、子供達を助けるためだと語っている。あくまでも救命活動は仕事であると割り切っているとのことで、「メディアを使って子供達の助けになれば何よりです」と語っていた。