医師がビキニを着て何が悪い!
教師や医師といった社会的信用が高い職業ほど、必要以上の行動規範や、理想を押し付けられがちなのかもしれない。
それを物語るように、先日、とある医療情報誌が問題のある記事を掲載したという。
A medical journal apologized after publishing an article criticizing female doctors who wore bikinis and drank alcohol in social media posts https://t.co/8s6Pk95WoP
— CNN (@CNN) July 27, 2020
問題となったのは、「血管外科学ジャーナル」の8月号が公開した「若い血管外科医の間でプロ意識に欠けるソーシャルメディアの流行」という記事。
およそ480人の若い外科医のSNSアカウントの評価が行われ、プロ意識があるか、ないかを分類したという。この調査は2012年より行われているもので、うちアカウントの68%男性、32%が女性だった。
結果、「ビキニや水着を着て挑発的なポーズをとる」「アルコールを飲んでいる」などといった姿を投稿しているアカウントほどプロ意識がないと感じられていると発表していた。
これは明らかな性差別であると多くのSNSユーザーの反感を買い、医師の女性たちは次々と「#medbikini」のハッシュタグで水着姿を投稿し始めた。
Misogyny is medieval. Do I have to wear my white coat at all times to deserve the title of "professional"?
Fun, sexy, smart & hard-working can exist in the same space. I can wear swimwear to the beach in my free time & be a competent & compassionate physician at work. #medbikini pic.twitter.com/bWC4tSEVTR— Vera Bajarias, MD (@invinovera) July 24, 2020
異を唱えたフィリピンの腎臓専門医、ベラ・バジャリアスさんは、CNNの取材に対しこう語る。
「記事が日の目を見たとき、反発が噴出したでしょう。
私は女性医師として、医療の世界がどれだけ性差別的であるか知っています。
女性が平等であるとみなされない限り、私たちは医学だけではなく他の職業分野でも進歩を遂げることはできません。」
また、「プロ意識がない」という例として、酔っ払っている時の写真や、同僚や病院への愚痴、政治的または宗教的なトピックへの言及の投稿が含まれていた。
こうしたことから記事は「若い外科医は、同僚や患者、および現在/将来的な雇用主が見る可能性がある場所に、職務外のコンテンツが公開されることに注意すべき」と締めていた。
ここから発生した激しい批判を受け、血管外科学ジャーナルは記事を非公開にした。著者のトーマス・チェン氏はツイッターにて謝罪をし、アカウントを削除している。
また著者らは、調査に利用された若い外科医のアカウントはデータベースとして使用する許可を得ていなかったことから、研究を削除し、内容を撤回すると公表した。