親なら誰しも我が子が可愛いのは当然であろうが、ウクライナから届いたこのニュースにはちょっぴり歪んだ愛情を感じてしまうのではないだろうか。
終身刑になった息子を脱出させるため
ウクライナ南東部のザポリージャにある刑務所に収監されていたのは、殺人を犯し終身刑となった男。
Mother faces jail after audacious attempt to single-handedly dig a 35ft-long tunnel to free her son from prison https://t.co/9p4cIL8asm
— Daily Mail Online (@MailOnline) August 3, 2020
だが、男の母親(51)は息子を不憫に思ったのか、約10メートルにもおよぶ刑務所につながるトンネルを一人で掘り続けたというのである。
母親の『息子救出作戦』は壮大な計画のもとにはじまった。
まずは刑務所のすぐ近くにアパートを借り、母親はそこへ引っ越しをしたという。人目につかないように、夜になると静かな電動スクーターに乗って現場へと繰り出し、シャベルとつるはしを使って深さ約3メートルの穴を掘った。そして、そこから刑務所へと続くトンネルを掘り続けたのである。
トンネルを掘った母が実刑に直面
約3週間もの間、黙々とトンネルを掘っていた母親だが、結果的に逮捕されてしまう。逮捕時には約3トンの土が見つかったというが、溺愛する息子のためとはいえ、毎夜一人でこんな作業をしていたことに警察らは驚きを隠しきれない。
この事件がテレビで報道されると、地元では「これぞ母親の姿だ」「こんなトンネルを掘るなんて彼女はきっと鉱山労働者の娘だったのでは」など、息子のことを思う献身的な母親のあり方に感銘を受けたという声が多く上がっているという。
殺人を犯したのは息子であり罪を償わなければならないのは当然だが、その息子のことを母親が心配するのは理解できるということだろう。
現在、母親は実刑に直面しているというが、このニュースを聞いて刑務所のなかで息子は今何を考えているのだろうか。