ヒジャブを理由に試合に出場できず
9月15日、米テネシー州の高校でバレーボールの試合が開催されたのだが、新入生のナジャ・アキールさん(14)はあることを理由に試合に出場させてもらえなかったという。
A Tennessee high school athlete was disqualified from a volleyball match for wearing a hijab, prompting calls for a statewide rule change https://t.co/x91RW2ijjb
— CNN (@CNN) September 28, 2020
米メディアが報じたところによると、ナジャさんがウォーミングアップをしていた時にコーチからこう言われたという。
ヒジャブを着用しての出場は認められないと審判が判断した
そう、信仰する宗教ゆえに着用していたヒジャブを理由に、試合への出場に待ったがかかってしまったのだ。
ヒジャブ着用は事前に許可が必要
審判によると、ヒジャブを着用するアスリートに関しては州の中高スポーツ連盟から事前に許可を得る必要があるとのことで、今回ナジャさんはその手続きを行っていなかったとのこと。
それにより、ナジャさんにはヒジャブを脱いで試合に出場するか、出場を断念するかの選択肢が与えられたというが、ナジャさんは後者を選んだ。イスラム教徒の女性の多くは、女性同士または家族の前でのみヒジャブを脱ぐが公共の場で脱ぐというのは考えられなかったに違いない。
これまでナジャさんはそんな規則を聞いたこともなく試合にも問題なく出場できていただけに、今回の出来事には憤りを隠せないというが当然のことだろう。
今回の件に関して、全米州立高校協会(NFSH)の事務局長は「米国のほとんどの高校スポーツにおいて規則は定められていますが、それらは厳格なものではなく州は例外を設けることができます。ヒジャブを理由に失格となった彼女にはお詫びします。審判は試合出場を認め、次回から許可を取るように伝えるべきでした。」とコメントしている。
ナジャさんの通う高校では、これは時代遅れで抑圧的な差別につながるものだとし、信仰する宗教を理由に身に付けるものに関して許可をとる必要はないことを理解してもらいたいと規約の改定案を述べた。
様々な人種が入り混じった米国で、いまだこのように宗教に関する差別的措置が取られたことは悲しいことである。スポーツを楽しんでいる学生らの気持ちをもっと大切に、そして尊重してほしいものだ。