SF映画でも見ない現実が今ここに!
ついに宇宙旅行が実現した今日この頃。世界中のセレブたちが次々と宇宙へ旅立っており、日本からもZOZO社長の前澤氏が予約したことが報じられている。
そんな中、アマゾン社長のジェフ・ベゾス氏が今年6月、ベンチャー企業「ブルーオリジン」のロケットで宇宙へ飛び立った。これはベゾス氏やその関係者にとっては非常に素晴らしい時間だっただろうが、地球に取り残された少なくとも17万人にとってはそうではなかったらしい。
ベゾス氏が旅立った今年6月、署名サイト「Change.org」に一つの署名募集ページが作られた。その内容は、「ジェフ・ベゾスを地球に戻る許可を与えない!」というもの。
作ったのは、ミシガン州ファーンデール在住だという「Rig G」という人物。ページにはこのような文言がかかれていた。
「最近行われている億万長者たちの宇宙進出競争は、生き残るために給料をもらっている労働者階級の人々へのひどい仕打ちだ。
私たちが食料不安や医療、シェルター、きれいな水も飲めず苦しんでいるにもかかわらず、億万長者や企業のロビイスト、ワシントンの官僚たちはその問題を解決しようとしない。
億万長者と企業は公正な賃金を支払う必要がある。ジェフ・ベゾスは他の銀河系の惑星で思いやりや人間性を見つけるまで、宇宙にとどまるべきだ。」
他にも、「億万長者は地球上にも宇宙城にも存在すべきでないが、宇宙に行くことを選んだならずっととどまっているべき」とのコメントも。もちろんこれはジョークとして作られたと考えられるが、その賛同する気持ちは紛れもなく本物。格差が激しくなるアメリカにおいて、大富豪への風当たりの強さを証明するものとなった。
このアツすぎる文章は、多くのユーザーの間で拡散。労働者階級だと自覚する人たちの間で、国内外に広まっていった。
その結果、7月21日時点でなんと17万人が賛同。地球への帰還を許さない人たちがこれほどまでに多いとは驚愕である。
だが残念ながら、この嘆願は実現しなかったようだ。7月20日、宇宙船の打ち上げが行われ、ベゾス氏を含む4名の搭乗者とともに約10分間の宇宙旅行を楽しんだという。その後、ロケットは何事もなく地上に軟着陸した。