深海に棲む左右の目の大きさが異なるイカ
皆さんは、深海という言葉にロマンを感じないだろうか。太陽の光が全く届かない暗闇、地上の100倍ほどの水圧、想像もできないほど奇妙な生物。そのような不思議な世界に、われわれはどういうわけか惹きつけられる。
今回紹介する生物は、そんな深海に生息する不思議なイカ。このイカは、なんと目の大きさや色が左右で異なっている!そして、目の大きさが異なる理由は100年近く未解明だったのだが、先週その謎がついに明らかになった!
コレがその姿だ!!
まずは、その不思議な見た目をご覧いただこう!
おぉー確かに目のサイズが違う。けど案外、深海生物のイメージであるおどろおどろしい感じはしないなぁ。てかほぼ、普通のイカやな。
寄って見ると、結構不思議な感じ…
このイカは、「カリフォルニアシラタマイカ」と呼ばれ、体長は10~15cm。アメリカ大陸の太平洋側の深海1000m付近に生息している。
このイカの特徴は言うまでもなく、左右で異なる目。深海では光が届かないため、多くの生物の目は退化している。そんな状況の深海で、なぜカリフォルニアシラタマイカの目は左右で異なるのか、なんと100年以上前から不思議に思われてきた。100年間も謎のままなんて、魅力的すぎる!
そんなロマン満載のカリフォルニアシラタマイカだが、先週ついに、その謎が明らかになった!!!
目の大きさが左右で異なる理由とは!!
実はカリフォルニアシラタマイカの目が左右で異なる理由は、水深1000mの深海にわずかに届く光をキャッチするためだそうだ!!!!
「…え、そんな深海に光届くの!?」と思った方もいることだろう。
調べてみたところ、彼らの棲む水深1000m前後では、なんと太陽光が100兆分の1にまでカットされているらしい!!ほぼゼロ!!!そんなに光が欲しいなら上に行けよ…とも思うが、彼らなりの努力の結果がこうなんだから、そんな批判は言わないでおこう。
カリフォルニアシラタマイカは必ず、一方の目を上にして泳ぐ。そうすると、下を向いているもう一方の目は、真っ暗なので成長させる必要がない。そこで片目にだけエネルギーを注力した結果、左右大きさの異なる目になったそうだ!理屈はわかるが、実際にこんな生物がいるとなるとかなり衝撃。
実際に動いている姿が見たい方は、この動画をチェックしてほしい。
自然選択の末、両目成長させることを辞めたイカ
自然選択の結果、両目成長させることは辞めて、片目に力を注いだカリフォルニアシラタマイカ。とても興味深い生物である。やはり深海には、想像もつかない生物がいっぱいいるようだ。これからも謎の生物が多く見つかることに期待しよう!
ちなみに、今回この謎を解明した学者は、カリフォルニアシラタマイカを撮影した、30年分の映像を解析したそうだ!いったいどれほどの時間がかかったのだろうか…文字通り、このイカの謎に一生を捧げていたのだろう。今回の発見に、心から賞賛の拍手を送ろう!
参照元:YouTube