シェアされ続けるこの画像に秘められた涙の理由とは・・・。
少女と抱き合う女性はアンバー・トラヴァグリオさん。この2人の対面がいま世界中で話題となっている。なぜならアンバーの病死した娘の心臓が、この少女のなかでいまも生き続けているからだ。
病死した8才の娘の臓器提供を決断した母親アンバー
2015年7月、オハイオ州の自宅で突然息を引き取った少女がいた。アンバーの娘メロディーだ。わずか8才という若さで命を失った彼女の死因は窒息性喘息発作によるものだった。
両親は急いでメロディーを救急病院へ連れていったが、すでに手の施しようがなかった。生前のメロディーの夢は『医師になること』。そんな娘の意思を尊重し、アンバーは娘の臓器提供を決断したのである。
メロディーの心臓は遠く離れたアトランタに住む少女に適合!
その頃、700マイル(約1126km)離れたアトランタの病院には心臓の提供を待つ5才の少女ペイトンがいた。風邪のウイルスが体内に入り込み、機械を装着して心臓を動かしている状態が数ヶ月も続いていた。そして両親は、ペイトンが生存できる確率はわずか3%と医師から告げられたのだ。
そんなペイトンにメロディーの心臓は適合したのである!
これ以上離れたところに住んでいたら移植は不可能だった
一刻も早く健康な状態の臓器を移植するため、「臓器を提供するドナー」と「臓器を受け取るレシピエント」の間には、臓器の摘出から移植までに許された『虚血(きょけつ)許容時間』というものが定められている。
心臓の虚血許容時間は4時間と臓器のなかで最も短い。これこそ運命だったのか!2人の少女が住むオハイオとアトランタの距離700マイルというのは移動時間にして4時間!心臓を移植するのにギリギリの距離だったのだ。
メロディーが繋げた2つの家族
対面を終えたアンバーはSNSでこう発信した。「メロディーの心臓を移植した少女に今週対面できたことは私のなかに安らぎと一種の完結をもたらせてくれたわ。このことに一生感謝するでしょう。ペイトンと彼女の母親は本当に強くて彼女たちを家族と呼べることを誇りに思います。メロディーとペイトンは1つの心臓を持った2人の美しい少女たちよ。」
筆者はドナー側とレシピエント側の家族が対面するということに正直衝撃を受けた。感情面の考慮はもちろんのこと、金銭の発生などになりかねないため対面は禁止されているという話をよく聞くからだ。
自分が当事者だったら、はたして気丈に対面することができるのか。動画のはじまりでアンバーとペイトンの母親が泣きながら抱き合う姿をみるとそんな思いも一気に吹き飛んでしまう。そんな2人をみてメロディーもきっと喜んでいるに違いない。
【病死した娘の心臓を提供した母親が移植を受けた少女と感動の対面!】