約2cm魚の骨を飲み込み死亡
このほど、スリランカで61 歳の男性が長さ0.8インチ(約2cm)ほどの魚の骨を飲み込み、最終的に腸に穴が開いて死亡した事件が起こった。
男性は腹部の痛みや嘔吐、錯乱などの症状で救急センターへ担ぎ込まれたものの、処置むなしく合併症により病院到着から8時間後に死亡したという。この症例報告はアメリカ国立医学図書館(NCBI)のデータベースに公開されている。死亡した男性の体内には約2cmの鉤状の魚の骨が小腸に突き刺さっていたという。
A man went to hospital with stomach pain. He died eight hours later after doctors found a huge fish bone had pierced his guts. https://t.co/Bh1kLcfQ27
— Science Insider (@SciInsider) September 21, 2022
この男性はスリランカの北部州マンナール県に住む61 歳の農夫。病院に行く前、腹部の痛みの悪化、腹部の拡大、嘔吐、便秘などの苦しい症状と3 日間格闘したという。病院に到着した時、既に高熱を出していて錯乱状態にあった。
状況からみて腹部の感染症による病気であると医師たちは推測した。彼らは男性を集中治療室に運び、抗生物質と点滴を与えたものの回復はしなかった。続いて、外科医は男性の腸を約 4 インチ切除し、一時的なストーマを作成して治療を試みたが回復せず、病院到着から8時間後に死亡した。
きわめて稀な事例
処置の何が間違っていたのかを調べるために、外科医は患者死亡後に開腹手術を行った。そして男性の小腸に約0.2インチ(約0.5cm)の穴が開いており、そこに0.8インチ(約2cm)もの鉤状の魚の骨が突き刺さっていることが明らかになった。この損傷による出血が合併症の要因となり、男性は死亡したとの結論を得た。
ただ、こういったケースは「非常に稀」であるこの症例の報告者は書いている。
普通、魚の骨、つまようじ、義歯などのほとんどの異物は腸の穴や出血などの合併症を起こすことなく消化管を通過するものだという。
異物は通常消化器系の狭窄部などに詰まることがあるが、小腸を損傷する事態にまで至るのは約1%だそうだ。
スリランカと同じく島国で日常的に魚介類を食する日本国民としては非常に気になる話である。
魚の骨を飲み込み厄介な目にあった方は沢山いるだろう。その時の体調や刺さった場所によって傷口が炎症を起こした場合、病院対応が必要な場合もある。しかし、死亡まで至る例があるとは驚きである。
この症例報告は至って学術的なもので、どんな魚料理をどんな風に食べたかなどの詳細の記述はない。しかしながら、今回の悲劇を教訓にお魚を食べる場合は今まで以上に骨に気をつけたいものだ。