第二次世界大戦中に使われたスパイの道具がオークションに出品!
スパイ、と聞くとなにを連想するだろうか。
ジェームズボンドのような、任務を紳士的かつスマートに遂行し、時にはアグレッシブに敵を倒し、とびきりいいオンナをたぶらかす華麗なイメージが先行するのではないだろうか。
こうした夢物語が作られるほど、スパイや諜報員は人を惹きつける「謎」に包まれている。
そんな中、2月14日のバレンタインデーに、英オークションサイト「Saleroom」に驚くべきものが出品された。第二次世界大戦中にスパイが実際に使用していたという道具である。
edamameでは以前ヒトラーの使った電話が出品された記事をご紹介したことがあった。しかし、今度は歴史の闇に隠されたスパイの必携品がでたというので驚きだ。
映画「007」シリーズにハマったダンディなオッサンたちから、2016年に公開の映画「キングスマン」で暴れたくなったやんちゃボーイズまで、写真を通してリアルなスパイの姿を想像してほしい。中二病な筆者が簡単な解説を交えご紹介しよう。
脱出用ナイフ
落札価格 1,600ポンド(約22万7,400円)
イギリスのSOE(特殊作戦執行部)、アメリカのOSS(知略事務室)の諜報員が使用。
グリップにはニッパー、内側には3本のノコギリ刃が納まっている。ドアの破壊や金網の切断などができるため、主に敵施設への潜入の際に携帯していた。
結構な大きさであるため、常に携帯するというよりは危険な作戦の時にのみ持っていったのだろう。この道具の持ち主は果たして生き残れたのだろうか?
ボタン型コンパス
落札価格 700ポンド(約9万9,500円)
イギリス空軍、上着ボタン型のコンパス。コンパスのみのものも460ポンド(約6万5,400円)で落札されている。
敵国の街に潜入して、一般人のフリをするときに道に迷ったら大変だ。空襲の前には現地の偵察が必要なので、こうしたコンパスは必携品とされていたに違いない。
ペン型隠し短刀
落札価格 7,000ポンド(約99万4,800円)
イギリスのスパイが使用。胸ポケットや内ポケットなど、隠せる場所も幅広い。軸のデザインにも趣があり、高額で落札された理由もよくわかる。誰がこの上品なキャップから刃が出ると予測できるだろうか。
ペンは剣より強し。スパイのペンは剣だから。
時計型ボイスレコーダー
落札価格 550ポンド(約7万8,000円)
ドイツのProtona社が開発したスパイ用品。ケーブルを体に隠した機械に接続し、時計に隠されたマイクから音を拾う仕組みだ。冷戦時代にかけて、各国で同じ様式のものが使用されている。
電話も満足に使えない戦時中に、なんと腕時計型ボイスレコーダーを開発するとは・・・。Apple Watchを先取りしたかのようなハイテクさだ。
空洞になった鍵
落札価格 3,200ポンド(約45万4,500円)
アメリカの諜報員が使用。中に情報の書かれたメモ、武器、毒物などを仕込むことができる。
どんな人でも持ってるので怪しまれにくく、かつ形さえ覚えればスパイ本人も覚えやすい。十分現代でも通用するようなアイデアだろう。
奇襲用絞殺ワイヤー
落札価格 3,200ポンド(約45万4,500円)
アメリカの諜報員が使用。左右のリングに指をひっかけ、対象者の首に巻きつけ締め上げる。有刺鉄線のような構造で動けば動くほど食いつき、対象者の首をねじ切ることも可能だ。
この細さとトゲトゲがえげつない。ひっかけられたら逃げられない。こいつは写真でも殺気が漂っている。
暗殺用襟飾りピン
落札価格 420ポンド(約5万9,600円)
これはスーツの襟の折り返しにつける襟飾りだが、凶暴な武器に様変わりしている。その長さは9.5センチと長く、護身や車を故障させるために使用したという。
この長さと丈夫さをみると、心臓をぶち破ったり、機械を壊したり、用途は無限大だろう。筆者はどうやってジャケットにこの棒が仕込まれていたのかいまだに想像できない。
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いかがだっただろうか。
以上にあげた殺傷用武器の中にも、実際に暗殺に用いられたものもあるかもしれない。
国を変えるような重大な人物がこの道具によって殺され、歴史が大きく変わったのかと思うと、非常にロマンを感じる。