1月初頭、北欧スウェーデンで宅配の配達員が大きな失態を犯してしまい話題となっていたのでご紹介したい。
厳寒のさなかの屋外で、オンライン食材キット宅配サービス『ハローフレッシュ』の配達員が、赤ちゃんが昼寝しているベビーカーの上に食品を詰めた重さ約10kgの大きな段ボール箱を置き去りにしていた。
それを発見した母親は大変驚き、写真をInstagramに投稿した。
キャプションにはこうある。
「二度とこんなことはしないで!赤ちゃんは大丈夫。神に感謝します」
この写真を投稿したのはスウェーデンに住む匿名のお母さん。
ベビーカーの上に段ボールを放置する行為自体大きな問題だ。しかし、この写真を見て”そもそも、なんで玄関先に赤ちゃんが昼寝してるベビーカーを?”と思う人は多いだろう。
実はスウェーデンなどの北欧諸国ではかなり寒い気候であっても、屋外で赤ちゃんを寝かせるという風習がある。これは赤ちゃんがより長く眠り、強い免疫システムを発達させる効果があると古くから信じられていて、現在も赤ちゃんをなるべく新鮮な空気にさらすことが奨励されているそうだ。
赤ちゃんを持つ母親たちは、カフェなどでお茶をする時にでも、お昼寝した赤ちゃんをお店の屋外に置いて室内に入ることも一般的だ。カフェの外には、赤ちゃんが昼寝しているまま放置されたベビーカーがズラリと並ぶ風景が少なくないそうだ。
所変われば品変わる。とはいえ、今回は北欧の驚きの習慣が食品宅配とうまくマッチしなかった訳だ。
このお母さんは赤ちゃんの無事を確認した後、担当物流会社に電話をかけ、詳細を知らされた宅配業者はショックを受けたという。
宅配業者によると、担当ドライバーは小包を玄関先に置いていこうとしたが、床が湿っていて食品を置くには適していないと思ったそうだ。
そして、
「脇に置いてあったベビーカーの上に置いた方が実用的だと思ってしまった。そこに赤ちゃんが寝ているとは思わなかったんです。大変申し訳ございません。」
と謝罪した。彼はすぐこのお母さん宅へ謝罪訪問、花とプラリネを手渡した。さらに後日、お母さんは補償として250スウェーデンクローナ(約3,200円)を提供され、そして2回の無料配達も受けたという。
訴訟などの大事には至らなかったよう。それより、赤ちゃんに何事もなかった事が何よりである。しかし、赤ちゃんを厳冬にさらすこの風習って、本当に有益なんでしょうかね?