急性虫垂炎として手術されても腹痛が治らなかった4歳児、なんと原因は胃の中の“磁気ブレスレット”だった!

事件

視覚や触覚などの五感が未発達な子供がなんでも口にしてしまうのはよくある事で、親としては誤飲しないかと気が気ではないだろう。

よく問題になるのは、タバコ、コインや魚の骨などの異物だが、このたび珍しい症例報告が小児外科情報誌『Journal of Pediatric Surgery Case Reports』に掲載され、複数の海外メディアが取り上げているのでご紹介したい。

2日間に渡って腹痛に苦しんだ4歳児の胃の中にあった異物は、なんと「磁気ブレスレット」

当初、この4歳児は急性虫垂炎と診断され摘出手術を受けた。しかし、症状が改善せず腹部超音波検査を実施したところ、このブレスレットが胃の中に発見された。

医師は驚愕したという。

この4歳児は国籍不詳の男児。 2日間にも渡って激しい腹痛を訴え、嘔吐と便秘を繰り返した末に入院した。腹部の膨らみ等は確認されなかったという。男の子は腹痛を起こす前に扁桃炎の治療を受けていた。入院しての検査では、発熱が認められ、下腹部の痛みは右の下腹と恥骨上付近で顕著だった。

検査の結果、医師は当初この少年を急性虫垂炎と診断し虫垂を摘出した。しかし手術後も腹痛は続き、術後2日経っても症状が治まらないため、医師は超音波検査で異常の有無を確認した。そしてX線検査によって、この磁器ブレスレットが発見された。

X線写真では、はっきりとビーズ状の輪が腹腔内に留まっているのを確認できる。

男の子の両親もこの磁器ブレスレットには心当たりはなく、医師と同様に驚いていたという。

さらに悪いことに、このブレスレットは腸の中にも入り込み、腸に穴をあけていた。医師たちは緊急開腹手術を行い、六角形の磁気ビーズ18個からなるブレスレットを取り除き、さらに腸壁に開いた穴も修復した。幸いにも、この男の子はすぐに回復して退院、その後の診察で健康状態は良好であるという。

幼児が磁石素材に興味を持ち飲み込むという症例は結構あることのようだ。似た事例として、2020年に中国の5歳児が磁石に夢中になり123個の磁気ビーズを飲み込み、4時間の手術で胃から取り除かなければならなくなったという事件があったという。

磁石は幼い子供にとっては興味津々のものだろう。是非、小さな子供をお持ちのご家庭の方は管理にお気をつけいただきたい。

参照元:NewYorkPostsciencedirect.comtwitter

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ひろしげ

海外渡航経験はハワイ、イギリス、ニュージーランド。大陸に憧れと恐れを抱く典型的島国の人です。趣味は大仏巡り。牛久大仏を擁する茨城県が魅力度ランキング最下位というのは納得できない。

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