ローマ帝国以来の歴史ある町
政治家は社会のために働き福祉に気を配り、国民の命と生活を守る政策を遂行する。また定期的に行われる公正な選挙でその志を説明し約束した上で、当選した場合は血税から得た高額な報酬と権力を手にする。しかし、彼らがその約束を果たさなかったらどうなるのか?
イタリア北部の小さな町トレントでは、その”彼ら”の行く末をまざまざと眼前にすることが出来る。そう、彼らは大衆の面前で「檻」に入れ晒され、最後はそのまま川に沈められるのである。
トレントは紀元前1世紀後半ローマ帝国に征服されて以来の長い歴史を持つ町である。これはその町で毎年6月に行われる「トンカ」と呼ばれる行事の一コマ。その年に最悪の失態を犯した地元の政治家を檻に閉じ込め、陪審員が糾弾し、そののち地元を流れるアディジェ川に沈めるという形のあくまで”儀式”なんだそうだ。
もちろん、川の底にまで沈めるようなことはせず、足元が浸る程度でおしまいとなるのが恒例のようである。もしかしたら、大昔はズッポリ底まで浸していたのかもしれないが。
なお、(残念ながら)この檻に入れられて水没させられているのは政治家本人ではなく、政治家になりすましたコメディアンなんだそうだ。
水没させる人間は裁判で決められるものの、あくまで失言をしたり失態を犯した地元の政治家や公人をからかうことを目的とした軽いノリのものだという。ただ、これを見物している観客達の顔はあんまり笑ってはいない。
その趣旨に賛同の声が続々!?
この「トンカ」は最近SNSで話題になり、当然のことながら世界の他の地域でも採用すべきだという声が沢山上がっているようだ。
この動画が掲載されたアメリカの投稿サイト「reddit」にはこんなコメントが並んでいる。
「アメリカでも実施してほしいけど、檻の数が足らなくなりそうだ」「この行事を受け入れているイタリアがうらやましい。アメリカの政治にはこれに近いものを受け入れる謙虚さはないな。」「英国人よ、あなたがマーガレット・サッチャーの死体をこの儀式に送ったのは20回目です!」「ロシアに24年間住んでいましたがそこの腐敗した政治家は、川に沈められる代わりに壮大な宮殿とばかげた給料を受け取っている!」「オハイオ州イーストパレスチナでこれを行うべき!」「シガン州フリントでも」「またはキャンプ・ルジューンでも!・・」(以下略)「きれいな淡水を政治家で汚染したくない」・・・
我が国や彼の国、あなたの地元でもこの「トンカ」の裁判リストに入れたくなるような人物はすぐに思い浮かべることが出来るのではないだろうか?
でも”彼ら”は、この儀式のおかげで身を清められた!とか言って、過去の事は全て水に流しそうですけどね。
参照元:reddit、Times Now News