タイの首相が23日以内に心臓麻痺で倒れたら原因はこのノートかもしれない。
同国で9年間に渡る長期政権を築いているプラユット・チャンオチャ首相(69歳)は、終止符が噂される選挙を間近に控えている。
その首相は今月9日同国南部・パッターニー県でのタイ国連党の集会で、とある男に街中でサインをせがまれた。もちろん、首相は気さくにサインに応じる。しかし、そのノートをよく見ると表紙にはこう書かれている。
『DEATH NOTE』
@rx25z ได้ยินว่าลุงมาหา #อ่ะขอลายเซ็นสะหน่อย #ลูงตู่ ♬ original sound – สุทธิศักดิ์ พนาลี – user37811891540
この映像はTikTokで拡散され同国内で話題を呼んだ。この青年はスティサック・パナリー氏といい、同国のオタク達の間で有名な漫画「デス・ノート」に登場する”ノートへの署名”を首相へプレゼントし名を上げた。
映像では差し出されたノートに首相がサインをする際、スッティサック氏が邪悪な笑みを浮かべている様子が写っている。サインした後、そのノートの表紙が漫画「デス・ノート」に登場するノートのレプリカであることが明らかにされる。
なお、ご存じでない方の為に解説すると「デス・ノート」は、原作:大場つぐみ、作画:小畑健による日本の少年漫画作品である。2003年12月から2006年5月まで『週刊少年ジャンプ』(第一部:2004年1号 – 2005年11号、第二部:2005年20号 – 2006年24号)に連載され、その後映画、アニメ化、舞台化されるなど大ヒットを記録した。”名前を書いた人間を死なせることができる”という死神のノート『DEATH NOTE』を使って犯罪者を抹殺し、理想の世界を作り上げようとする夜神 月(ヤガミ・ライト)と、世界一の名探偵L(エル)たちによる頭脳戦を描くサイコ・サスペンス漫画の傑作である。
この映像は、TikTok上で熱狂的な反響を呼び早い時点で1,000万回以上再生されたという。
同国ではこのイタズラ的な行為に対して、ただ単に面白がっている人から、浅はかな行為だと非難する人、強権的な首相を罵倒した英雄としてスッティサック氏を賞賛する人など、賛否両論渦巻いているようだ。
日本のある時期の社会の様相を色濃く反映した作品である漫画「デス・ノート」。この作品が20年近い歳月を経て、遠くタイの政治風刺に使われるとは感慨深いものがある。本作品の内容には社会・政治的な側面が欠落しているという批判が当時あったと記憶しているが、このノートが国の政治に関係して使用された日には恐ろしいことになりそうである。レプリカのノートで安心しましたね。いや、もしかして・・・。