洗濯物を干すのは、なかなか面倒な家事である。洗濯機が洗ってくれる時代になっても、最後は人間がベランダに出て、洗濯ばさみと格闘しなければならない。
ところがアメリカには、その洗濯ばさみを器用に扱ってしまう犬がいるという。しかも、ただのお手伝い犬ではない。なんとギネス世界記録まで樹立してしまったのだ。
人間の家事がまたひとつ奪われる日も近い……のかもしれない。
1分間で洗濯ばさみ8個! しかも口だけで!
主役は米ミズーリ州カンザスシティに暮らす、5歳の黒いラブラドール・レトリーバー、ジャバ(Java)。飼い主はグラフィックデザイナーのリサ・リッカーズさんだ。
ジャバが挑戦したのは「犬が1分間に物干しロープへ取り付けた洗濯ばさみの最多数」という、なんとも限定的な世界記録。2026年3月21日の挑戦で、見事8個を取り付け、ギネス世界記録に認定された。11月4日にはギネス公式サイトで、その見事な仕事ぶりが紹介された。
ここで重要なのは、洗濯ばさみをロープに引っかけるだけではないということ。ジャバは口で洗濯ばさみをくわえ、ばねを開き、ロープに挟み込んでいるのだ。人間なら何でもない作業だが、指のない犬にとっては相当な技術が必要だろう。
実は200種類以上の芸を覚えている
驚くのは、洗濯ばさみだけではない。ジャバは200種類以上の合図や芸を覚えているという。ドアを開けたり、靴下を脱がせたり、照明を操作したり、貯金箱に硬貨を入れたり。さらには色を識別し、食品にグルテンが含まれているかを検知することもできるそうだ。
もはや犬というより、毛むくじゃらの万能家事アシスタントである。こちらが仕事から帰ってきたころには、洗濯物を片づけて、お茶でも入れてくれそうな勢いだ。
もちろん、お茶を入れるという話は冗談。しかし、これだけ多彩な技を覚えられるのは、飼い主との長年の練習があってこそだ。
介助犬には向かなかった。でも、別の才能が開花した
ジャバはもともと、介助犬育成団体「Canine Companions」で訓練を受けていた。リサさんは生後10週のころからジャバを育て、18か月間にわたって社会化や基礎訓練を担当したという。
その後、ジャバは高度な訓練へ進んだものの、最終的には介助犬としての適性が合わないと判断された。そこでリサさんが引き取り、家庭犬として暮らし始めたのである。
しかし、それが才能開花のきっかけになった。リサさんとジャバは犬のスポーツや芸の練習を楽しむようになり、さまざまな技を身につけていった。そしてついには世界記録へ。人生、いや犬生、どこで何が花開くか分からない。
洗濯ばさみを干すのが楽しくてしかたがないらしい
リサさんによれば、ジャバは練習が大好き。成功して大きく褒めてもらうと、しっぽを振って喜ぶという。練習が終わって飼い主が部屋を離れても、戻ってみるとジャバがひとりで洗濯ばさみをロープに取り付けていることさえあるそうだ。
なんと、自主練までしているのである。家事を頼まれると面倒くさがる人間としては、少々耳の痛い話だ。
ジャバは消防署などを訪問するセラピードッグとしても活動している。洗濯ばさみの世界記録だけでなく、人を笑顔にする仕事も得意なのだ。
ちなみに、今回ジャバが干したのは洗濯物ではなく洗濯ばさみそのもの。靴下やシャツまで干せるわけではないので、飼い主の家事がなくなったわけではない。
それでも、これほど楽しそうに洗濯ばさみを扱う犬がいるのなら、次はぜひ「取り込んで畳む」に挑戦してほしい。人間がいちばん面倒だと思っているのは、案外そっちだったりするのだから。
参照元:
Guinness World Records・ジャバの記録と飼い主への取材【1】
Guinness World Records・記録認定ページ【2】
UPI・2026年11月4日【3】
Youtube@HaHaHooked【4】








