顔面にボールを投げつける教師の映像
大阪府立高校バレー部の練習風景を映した動画が5月14日にツイッターで公開され物議を醸している。
まずは、この騒動の渦中にある動画をご覧いただきたい。
※現在、元となったツイートは削除され謝罪のツイートが出されている。
学校並びに学校関係者に大変なご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。
みなさんが理解し合える部活動になれば幸いです。
失礼いたしました。— 熊ぺぺ (@kmp_5) 2017年5月15日
動画内で行われているのは、ダイビングレシーブの練習の一種。左右に散らされたボールをスライディングで拾うといった、バレーボールの練習として広く知られた練習メニューのようだ。
問題はコーチ(先生)が選手(生徒)の顔面をめがけボールを思い切り投げている、選手の足どりがもつれていることからオーバーワークの強制では?などこれが本来の練習の目的から逸れている可能性があると、これを問題視する声が上がっている模様だ。
周りからは「ガンバレー!」といった声も聞こえるので、この場において異常でなく普段の空気感で行われていたことが分かる。
ツイッターでは、「大阪府立今宮高等学校」「バレー部顧問」「虐待」「電話番号」「 #拡散希望」といった文言と共に投稿され炎上といえるほどの拡散をみせている。
現在同校は、この動画の存在を認識しており、事実確認をしているところであるという。
虐待?体罰?熱血指導?
この動画を見て筆者は「スポーツの練習は厳しいなぁ~、、」としか思えなかった。
なぜなら筆者が高校生の頃、放課後に見たバレーボール部の練習風景は、罵声あり、超熱血指導ありというこの映像を凌駕する内容だったからだ。
しかし、社会の声は全く違った様相で、この件について非難が殺到している。
今宮工科高校のバレー部顧問終わったなっ!多分
まず顔狙って打ってるだろっ!??
許せん#拡散希望RT pic.twitter.com/kILJLe6WzP— 欅LOVE ⭐︎◢͟│⁴⁶ (@iXsgGMBPyqpZf2X) 2017年5月14日
今宮工科の動画のリプ欄で「これで虐待と言われたら顧問何も出来なくなる」ってあったけどさ、何かあってからじゃ遅いんだよ
結果的に怪我をしたから虐待と決めたじゃ話にならないんだよ— いしもん (@ishimonLonely) 2017年5月15日
一方で「メンタルを鍛えるための練習だ!」「バレーボール部では当たり前」といった、これは問題ではないとする声も挙がっている。
同校生徒と思わしきアカウントでは、先生を擁護する声が散見され、先生の人望の厚さが伺えた。
簡単には判断ができない重要な問題
昨今話題になるイジメ問題と同様、こういった事が是か非か問うには当人同士の信頼が大きく関わることであり、一概に第三者が判断することは難しい。
ある意味で受け手のとり方次第で、どちらにも転ぶ可能性があるといえる。
社会的な見方をするとなれば、多数派の意見が採用され、少数派の意見(今回であれば生徒や現場にいる人、バレーボール関係者等)は間違った認識であるという見方を示されかねない。
しかし、この判断基準で本当に正しい答えを導き出せるかといえば甚だ無理な話である。
今回の件のように世間で騒がれることなく、体罰や虐待が過去には幾たびもあったはずだ。体罰により、子どもの心身の発達に重大な支障が生じる事案や、尊い命が絶たれるといった痛ましい事案もあり、無視してはいけない問題である。
この事の顛末が「騒ぎを静めるために」という目的で、この先生を罰するような”大人世界のコンプライアンス的配慮“が優先されてしまうこととなれば、昔ながらの熱血指導を善しと考えてきた指導者にとって、更なる逆風になることは間違いないだろう。そして、それはただの問題の先送りにしか過ぎないことは言うまでもない。
ちなみに文部科学省が定めた運動部活動のガイドラインには、
(2)他方、運動部活動においては、生徒の技術力・身体的能力、又は精神力の向上を図ることを目的として、肉体的、精神的負荷を伴う指導が行われるが、これらは心身の健全な発達を促すとともに、活動を通じて達成感や、仲間との連帯感を育むものである。ただし、その指導は学校、部活動顧問、生徒、保護者の相互理解の下、年齢、技能の習熟度や健康状態、場所的・時間的環境等を総合的に考えて、適切に実施しなければならない。
指導と称し、部活動顧問の独善的な目的を持って、特定の生徒たちに対して、執拗かつ過度に肉体的・精神的負荷を与える指導は教育的指導とは言えない。
こう記述されている。
さて、この件についてあなたはどう思ったのだろうか?
是非コメントで教えていただきたい。