これぞ、史上最強の「すごい」WEBサイト!
超すごくて、半端なくゴイスーなWEBサイトを発見してしまった。
本当にすごいので、覚悟して見てほしい。
そのすごいWEBはこちらだ!!
どうだ、すごかっただろう!
…。
分かる、言いたい事はすごく分かる。私もまんまと騙された人間であるから。
でもどうか怒らないで欲しい。
確かにくだらないと思うかもしれないが、しっかり見てみると、細部までこだわり抜かれていて、本当の意味でもすごいのである。
このサイトは、プランナー兼アートディレクターの佐藤ねじさんによって作られた。リリースされたのは少し前だが、最近また密かに注目を集めているのだ。
すごいの引き出しの数がすごい!
タイトルや、写真など、全て、すごいという言葉を使って表現されているのだが、その表現の引き出しの多さがすごすぎる。
“すっげぇ写真”という比較的シンプルなものから始まり、
“相当痛烈ですごく苛烈で激甚な写真”という凝った表現のものから、
”すごくすごいって思う写真”というちょっとおバカっぽいものまで本当に様々である。
私が個人的にお気に入りなのはこの表現。
なんだかよく分からないが、とにかくこの表現自体が、私の心に、すごくズドンときて、グワッとしたのである。
どの言葉も表現している「すごい」のニュアンスが違っているおかげで、「すごい」という言葉しか使っていないのにも関わらず、サイト全体にしっかり抑揚が感じられる。
内容は何も無いはずなのに、何故か飽きずに最後まで見てしまうのは、それが理由だろう。
未完成の美は美しい
あなたはこういう経験をしたこどがないだろうか?
学園祭、披露宴等、なんでもいいのだが、イベントの演出を考えたりするときに、
「最初にこうなんかばーんっとインパクトのあるすっごい演出をして、途中ですっごい展開があって、最後もすっごい感動的なやつで!」とわくわくしながら語る。
しかし、そのすっごいを具体的にしようと思って、いざ内容を詰めて見たら、あれ?思っていたものと違うじゃんという経験。
抽象的に考えているときは、なんだかとてつもなくすっごいものが出来るような気がするが、それはただの理想だったのである。
このWEBは、そんな理想の状態に似ているのではないだろうか?
このWEBを作ろうと思ったきっかけをねじさん本人に伺ったところ、その”理想”を、ねじさんは、未完成の美と表現し、このように応えてくれた。
WEB制作をするときにつくる「ワイヤーフレーム」や、サイトをざっくりデザインしているときの、「未完成な状態」のものが、美しいなと思っていました。
まだ中身が入っていないことで、見た人は脳内補完する。
でも中身が入ると、案外ふつうだなってなっちゃったりする。
なので、そういう「未完成の美」がある、抽象的なサイトを作りたいと思い、制作しました。
すっごいサイトにしたいという理想が詰まった未完成な状態をそのまま表現されているのである。
そして、先ほど紹介したようなねじさんの多様な表現によって、脳内補完が助長されている。
また、他にもこんな反応もある。
きっとWEBデザイナーが腹抱えて笑うと思うwww ビジョンのはっきりしないクライアントの意見を100%反映したらこうなったっていう・・・ね。 すごすぎてシャレにならない。 RT:すごいWEB http://t.co/XDCsaKNmzn
— じゃむ???? (@j8mu) 2014年6月19日
すっごい理想を描いたクライアントさんのむちゃぶりをそっくりそのまま表しているようだ、とWEBデザインの業界の人からウケているのだ。
また、ねじさんは最後にこんな風にも語ってくれた。
小学生の頃に、何かを説明するときに、やたら「すごい」ばっかり言ってる奴っていたんですが、そんな感じの、無駄に去勢を張っているようなサイトおもろいなと思い。そんな思いから作りました。
確かに、理想だけで、なんかとにかくすごいことを!とやたらめったらに連発する人にたまに出会うことがある。
「そんな上手くいかないよ、馬鹿だなあ」と思ったりするのだが、そういう人のそういう気持ちこそ美しく、大切にしていかなければならないものかもしれない。
私も、ものを書く側として、甚だすごくて、猛烈にドンとして、うんとすごい記事を理想に描いて、日々精進していきたいものである。
許諾元:佐藤ねじ