2017年、11月9日に世界的な医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」がある発表をした。
2014年に、韓国の病院で58歳の女性が、手足のX線撮影を行い、ある事実がわかったからだ。
Image Challenge: A 58-year-old woman with long-standing joint pain and deformities of both hands and feet. https://t.co/KfTyrPPL8e pic.twitter.com/2AAwfgR0Uk
— NEJM (@NEJM) 2017年11月7日
上がそのX線写真だ。関節がかなり変形しているのがわかる。そして、指の関節や手首の周りに無数の糸状のものが映っている。
何と!これは、金であることがわかった。
身体の中に金が!いったいどういうことなのか?
実は、これ、金糸を使った鍼治療の後だということがわかったのである。
関節リウマチと正式に診断されるまで30年かかった
彼女は、18歳頃から、関節の痛みなどの症状があらわれた。この時、医者には通わず、痛みを和らげるために、イブプロフェンを服用し、さらに金糸による鍼治療を受けたようだ。
金でできた糸を滅菌し、針で挿入するのだ。
関節炎に対しての鍼治療(金糸の使用を含む)は、東アジアだけでなく、世界的にも見られる治療だという。
しかし、彼女は関節炎ではなく、関節リウマチだった。おそらく、症状が出始めた頃は初期段階で、48歳にして正式に診断されたのだ。
関節リウマチは放置すると、関節の変形を招く。
彼女は、30年間、ちゃんとした関節リウマチの治療を受けていなかったことになり、長年、痛みと関節の変形に悩まされたのである。
金糸による鍼治療は症状悪化の原因ではない
ただし、「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」によると、金糸による鍼治療は、悪いものではないそうで、悪化の原因ではないという事だ。
彼女の場合は、適切な治療が行われなかったことが、症状が良くならなかった原因ということなのである。
現在、韓国の病院で、関節リウマチの適切な治療を受けることにより、彼女の症状は改善されている。金糸も、除去する必要はないという専門医の判断で、彼女の手足には、そのまま金が埋め込まれているのだ。
自分自身で判断することは難しいが、症状に合った治療法がいかに大事かと言う事例である。