抜群の知名度を誇るスーパーモデル
こちらの女性を知っていますか?
そう、スーパーモデルのナタリア・ヴォディアノヴァ(35歳)だ。美女揃いのモデル業界でも異彩を放つ彼女は、常に、トップクラスのギャラを約束されている。
そんな、華やかな人生を送っているかのようにみえるナタリアだが、実はその陰にあったのは壮絶な人生だったのだ。
現在の姿からは想像もつかない壮絶な過去
ロシアの貧困地区に生まれ、2歳のときに実の父親は失踪してしまった。母と、そして脳性麻痺という障害を抱えた妹との暮らしは、とてもじゃないけれど楽なものではなかった。
家計を助けるために、14歳で学校をやめたナタリアは路上で果物を売ることにした。その日暮らしだったといっても過言ではなく、そのうちホームレスになるんだろうと無意識に考えるようにすらなっていた。
そして、ナタリアが15歳のとき、人生を変える出来事が起きた。
「英語を3か月で習得できたら、君の人生は素晴らしいものになるよ。」
フランスから来ていたスカウトマンのひとことだった。当時、英語など話すことができなかったナタリアだったが、「人生を変えるチャンスがあるのなら!」と、英語を習得し、フランスへ渡ったのである。
17歳、シンデレラ物語の幕開け!
17歳で大手モデルエージェンシーと本格契約をしたナタリアの勢いはすさまじいものだった。グッチやカルバン・クラインなどと専属契約を果たし、40以上ものランウェイを歩いた。
プライベートでも18歳にして、御曹司と結婚し、3児をもうけた。まさに順風満帆の人生だ。
その後、離婚したものの、2011年、フランスの大企業の息子であるアントワーヌ・アルノー氏と恋に落ちたナタリア。
彼との間に2人の子宝にも恵まれ、現在は5人の子供たちと幸せな生活を送っている。
苦境に立つ子供たちを支援し続ける
まさにドン底からすべてを手に入れた女性、ナタリア。公私ともに成功をおさめているにもかかわらず、彼女の中身は、昔と何も変わっていない。
「常に最悪の状況に備えているわ。安心できないの。」これが彼女の口癖だ。
ロシアでは社会的支援制度が整っていないため、ナタリアの妹のように障害のある子供は孤児院に預けざるを得ないという。そこでナタリアは慈善団体を設立し、障害を抱える子供たちの遊び場をこれまでに177カ所設けてきた。
また、世界中の人が、恵まれない子供のために簡単に寄付ができるコンテンツを作ったり、彼女の行動力はとどまることを知らない。
自らの生い立ちがあるからこそ、その苦労や痛みを同じように理解できるナタリア。地位や名声を手にし、そこから支援し続けるその姿は、なかなか真似できるものではないだろう。彼女こそ、シンデレラになるべくしてなった人なのかもしれない。