アメリカには100万人以上の弁護士がおり、手軽なものからなら約11000円(100ドル)を出せば誰でも裁判を起こせる環境にあるのだという。年間の訴訟件数は1800万件にのぼるといわれ、その件数の多さはアメリカが訴訟大国と言われるゆえんでもある。
そのため、トンデモない理由で裁判をおこし、多額の賠償金をゲットする人も出てくるのだとか・・・!
先日、ある女性が相手取ったのはなんとカリフォルニア州にあるサンディエゴ市!
一体どのような裁判を起こしたというのだろうか・・・!?
転んだ拍子におっぱいが破裂?
2015年、元市長夫人であるシンシア・ヘドック氏が、サンディエゴ市に対し訴訟を起こした。
当時70歳だったヘドック夫人はミッション・ベイ近郊にある通り沿いを歩いていたところ、段差に足をひっかけて転んでしまったのだという。
▲ヘドック夫人がつまづいた段差
その時不運にも、片手には書類の入ったファイル、もう片手にはスマートフォンをもっており、受け身をとれずに体の正面から地面に着地してしまったらしい。
しかし転倒後、2回ほど別の要件で病院にいっていたにもかかわらず、彼女は2週間にわたり放置。その後胸部に痛みを感じた夫人は、美容整形外科に受診したところ、胸に入っていた豊胸のインプラントバッグが破裂していたことが判明したのだ!!
医師はインプラントバッグの除去と交換を行うことを勧め、2015年の11月に手術を行い、ヘドック夫人は約2263万円(19924米ドル)を支払う羽目になったそうだ。この手術費用は彼女の生活に大きな打撃をもたらしたらしい。
これによりヘドック夫人はサンディエゴ市の道路に問題があったと主張し、慰謝料と手術費用を求め、同市を訴えたのだ!!
▲原告のシンシア・ヘドック氏
とはいえ、当初はこんな主張が通るはずもなく、同市は「歩道は危険な状態ではなかった」と主張。更に彼女は豊胸手術後20年以上経過しているという医療記録を発見し、すでに破裂していた可能性があるとも言及した。
一方でヘドック夫人も黙ってるはずもない。法廷では「豊胸手術を受けていたことが家族に知れ渡って恥ずかしい思いをし、深く傷ついた」とも主張している。
裁判の結果、ヘドック氏が勝訴。サンディエゴ市には約9600万円(85000米ドル)の賠償が命じられた。しかし、この判決に市の職員は強く不満を示しており、「市民から納められた血税をこんなものには支払えない!」と言い、控訴を検討しているという。
ちなみに、サンディエゴ市は過去にも、道路にあるわずかな段差を巡る裁判に負けたことがある。
2016年には道路を走っていた自転車が、わずか6.3センチほどの段差にタイヤをとらて転倒し、大きな怪我をした。これにより、段差の存在を以前より認識していたにもかかわらず補修を行わなかったという理由で、5億円(500万米ドル)近い賠償が命じられたという。
夫人には更にこんな黒いウワサも・・・
ヘドック夫人の夫である、元サンディエゴ市長のロジャー・ヘドック氏にも問題があった。彼は1983年から1985年にかけて市長を務めたが、市長選出選挙のために不正資金援助の疑いがあったとし、有罪判決をうけて辞任。
しかし、市長側が判決に不服を申し立て控訴したところ、なぜか罪が軽くなったのだという。・・・これに関して、現地では裁判官の買収など、様々な噂が流れてやまないらしい。
このように、権力者が力を振りかざし不正な手を使う事例は日本でも珍しくない。強い人間であればいい加減な訴えがまかり通ってしまう・・・そんな世の中にうんざりしてしまうのは筆者だけだろうか・・・。