みなさんは、2014年に公開された映画「ジョン・ウィック」をご存知だろうか。キアヌ・リーブスが演じる主人公が妻の忘れ形見であるペットを殺され、ギャングに復讐をする物語である。
その映画の中で小さなビーグルが殺されてしまう場面があるのだが、あまりにも哀しく胸を痛めた方も多いのではないだろうか。それほどに、無抵抗の犬を一方的に殺すことは卑劣で許しがたい行為といえるだろう。
そんな気持ちを彷彿とさせるような哀しい復讐劇が、先日中国で起きてしまった。
6匹の愛する家族を失い・・・
Dog killer dies after pet owner rams him into a wall with his car https://t.co/Eocvt67KOg pic.twitter.com/sv4FYGAzhJ
— LADbible (@ladbible) 2018年1月19日
中国東部の江蘇省揚州市にて1月初頭、バイクに乗っていた男が車に轢かれる悲惨な事故が起こった。
激しい衝突により体はレンガの壁に打ち付けられ、被害者は即死。車に乗っていた男がそのまま逮捕されたが、警察の取り調べによると、容疑者は6匹の愛犬を被害者に殺され、復讐するためにひき殺したことが明らかになった。
近隣に設置されていた監視カメラには、被害者だと思わしき人物が犬を追いかけ麻酔銃を撃つ瞬間が捉えられていた。
容疑者は麻痺して地面に横たわる愛犬たちを発見すると、涙を流し復讐を誓った。そして監視カメラの映像から特定を行い、車の上にのって被害者をあおると、急発進しレンガの壁めがけて被害者を跳ね飛ばしたのである。
こうした複雑な状況があり、法廷には波乱が巻き起こっている。
犬を殺されてしまった容疑者の家族は、本人は混乱してペダルを踏み誤っただけで殺す意図はなかったとコメントしている。
また被害者の遺族らは「例え被害者が間違ったことをしていたとしても、裁判官や陪審員、死刑執行人ですらない人間に殺人をする権利はない」と主張していた。
中国では2015年からペットを麻酔銃で撃ち盗む手口が横行しており、盗まれた犬は食肉として転売されている。今回の容疑者の愛犬もまた、その残虐な人間のターゲットにされてしまったのだ。
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中国は現在、国内外からの批判が相次いだことから犬食文化は消え去ろうとしている。しかし一方で、犬肉を好む人々は未だ多く存在すると言われており、変わらず犬の味を求め続けている。
犬食が違法となり供給が激減した今、犬肉の入手方法はアンダーグラウンド化しており、ギャングやマフィアたちが恐ろしい手段で犬を狩り続けているのである。