虎穴に入らずんば・・・・
2月3日の平和な夜、スコットランドで牛農家を営んでいるブルース・グラブさんという24歳の男性が、牧場の片隅であるものを目撃した。
とッ・・・トラだ―――――!!!!
なんと、堂々と道の真ん中で座り込んでいるトラを発見!ブルースさんはこの光景に腰を抜かしてしまったという!!
もちろん、この状態で放っておく訳にはいかなかった。
なぜなら、近くには大切に育てあげた、妊娠した母牛がいて、危険にさらすわけにはいかなかったからだ!
ブルースさんはすぐさま地元警察に通報。更に、安全に捕獲するために近隣の自然公園にも連絡が届いた。
こうして現場には、武装した警官部隊と、トラを保護した経験がある動物捕獲のプロが大集結。早速、捕獲に向けて、まず牛舎からトラをひき離そうとしていた。
しかし、彼らが様々な方法でトラを逃がすよう刺激してみるものの、一向に動く気配はなかったという。結局この間、警官達は45分間、近づくに近づけず静かなる死闘を繰り広げたのである。
それでもピクリとも動かないトラに、痺れを切らした警官がゆっくりと近寄っていくと・・・・
ぬいぐるみだったのである・・・
なんで牧場のど真ん中にこんなにデカいぬいぐるみが落ちているんだ―――――ッッ!!
通報者のブルースさんに向けられたのは、怒りだったのだろうか、呆れだったのだろうか・・・。とにかく、駆け付けた人たちは、世界一ムダな時間を過ごしてしまったに違いない。
当然ながら、今回の件は威力業務妨害として処理されそうになったというが、故意ではなかったということがわかり、ブルースさんは見逃してもらえたそうだ。
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その後、ブルースさんは警察に「酔っぱらっていたんじゃないか!?」と疑われたのだそう。しかし母牛がいつ出産するかわからない状況だったので、お酒は一滴も飲んでなかったと主張していたという。
このトラのぬいぐるみ、実は3週間前、牧場施設の移設を記念したパーティーの時に参加者からプレゼントされ、置き去りにされていたか、引っ越しの最中に落していた可能性があるという。
ブルースさん自身もすっかり騙されており、警察に対し平謝りだったとのこと。
牛への愛情のあまり、ブルースさんは過剰に心配してしまったのだろう。彼のいい人っぷりが何となく伝わってくる、ほのぼの事件簿であった。