それは、わずか直径2mmの世界
日本画、油彩画、シルクスクリーンなど
この世界には、あらゆる描画技法でつくられたアート作品が溢れている。
しかし、時にその創作性を、ある特定の分野に注ぎ過ぎてしまった作品もある。
今回は、そんな「ミクロな世界を極め過ぎた凄すぎる作品」をご紹介しよう。
今からご紹介するのは全て、わずか2mmほどの鉛筆の芯の世界である。
それが、こちらだ!
え、本当に鉛筆の芯!?
思わず、そんな言葉が出てしまいそうになるほどに繊細で美しい造形だ。
本当に直径2㎜の世界なのか・・・。
たった1つの些細なミスで「ポキッ」と芯も心も折れてしまいそうだ。
作品の繊細な表現から、相当に長い集中力と忍耐力が必要であることが伺える。
この作品を手掛けているのは、ロシアの彫刻アーティストであるサラヴァト氏だ。
彼ははじめ、直径5mmのジャンボ鉛筆を使用していたが、その飽くなき探求心により、現在ではなんと、わずか直径0.5mm~2mmの世界に挑戦している。
さらに、平均的な制作時間は6時間~12時間らしいが、複雑なモデルは2~3日を要するようだ。
今回、そんな彼と直接コンタクトが取ることができ、気になるところを伺ったところ、簡単なインタビューに快く応じてくれた。
以下、サラヴァト氏のインタビュー
“「なぜ、鉛筆の芯を作品のテーマにしているのですか?」”
僕は鉛筆の芯に非常に興味を示していて、とても好きなんだ。
また、その素材を使ったアートはこの世のあらゆる芸術形式の中で稀有なものだ。
そして、これは”ミクロな世界で僕自身の可能性の限界を見つける”という挑戦なんだ。
“「ミクロな素材の中で鉛筆の芯を選んだ理由はなんですか?」”
この素材は、僕にとって魔法の素材だと思っている。
時にプラスチックのように柔らかく、時にガラスのように割れてしまう事がある。
些細な心の振動が、手に伝わり、その1つ1つの所作が作品を作り出している。
そんな、極限の世界に挑戦する為に、最もふさわしい素材こそが「鉛筆」だと感じている。
さいごに
おそらく、この直径2mmのアート作品は、世界最小の作品になるだろう。
彼のさらなる挑戦によって、作品は段々と極小化していくのかと思いきや、実はこのような作品も作っているようだ。
めっちゃかわいい!
なるほど!
芯と軸の素材の違いを利用して、列車(芯)とトンネル(軸)の表現をしているのか!
鉛筆アートとは、モノクロでミクロな“狭く深い世界”だと思っていたが、彼のユニークな発想は、鉛筆アートの“可能性の広がり”を感じさせてくれた。
次は、どんな発想でどんな挑戦をするのか、今後の彼のさらなる活躍が楽しみで仕方がない。
許諾元:SALAVAT FIDAI HP