不当解雇にも程がある事件
信じられないような理由で解雇が言い渡される事は、世界中でよくある事なのかもしれない。だが、一度転んだらタダでは起きない人もいる。
今回裁判を起こした女性は、信じられない理由で解雇され精神的苦痛を味わったことから、約8千万円(77万5千ドル)もの慰謝料を手に入れたのだ。
その理由が、なんと「声がデカすぎるから」・・・というモノだったからである。
アメリカ・フロリダ州マイアミ在住のクリスティン・ドノフリオさん(48)は、聴覚障害をもちながらも、地元にある会員制スーパー「コストコ」に23年間務めていた。
しかし2013年、店長が変わった途端、突如解雇を言い渡されたのだ。その後彼女は、それまでのコストコのでの扱いや、追い出されたことによる精神的苦痛を理由に、裁判所に訴えたのである。
弁護士によると、彼女はシングルマザーで、コストコでの仕事は外の世界との交流をするための大切な場所だったという。解雇によって仕事を失ったどころか、人生の居場所がなくなってしまったのだ。
一方、コストコ側は「彼女は非常に気性が荒く、声の音量をコントロールできなかった」と話している。
更に、専用機器の導入や、専門家を呼び寄せ聴覚のテストや読唇術のトレーニングをしたりと様々な策を講じたというが、一向に改善する気配がなかった・・・と弁明している。
彼女は裁判において、「23年も働いてきたのに、こんなテストは受けさせられた。私の障害に対してとても無礼で差別的です。」と語ったのだ。テストは解雇させるための理由として無理やりでっち上げたものなのだろう。
その後彼女は100件以上の仕事を受けたというがいずれもうまくいかず、苦しみを味わったという。
こうして裁判が始まり、3年たった先日、裁判所はコストコに対しドノフリオさんへの77万5千ドルの賠償を命じた。
彼女がもう一度コストコで働けるようになるのが理想だったかもしれない。賠償金によって少しでも生活が楽になればいいのだが・・・。